2013年度工学院大学 第1部建築都市デザイン学科

科学と哲学(Science and Philosophy)[5B08]

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2単位
草野  章 准教授  
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最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 科学と哲学という区分は近世になってから生じたものであり、それ以前は未分化であった。物理学でお馴染みのニュートンの主著も『自然哲学の数学的諸原理』という表題だったのである。近世以降哲学は意識と存在を不可分とする観念論を主流とすることになったが、一方科学は物質とそれに関する法則から出発して、主観性を極力排除した客観性を絶対視する唯物論をその思想のバックボーンとするに至った。
 この授業は、科学と哲学が未分化的発生を遂げた古代ギリシアの諸思想の吟味から始めて、近世以降に哲学の基本的思考枠組となった物心二元論とそれに纏わる諸問題を題材として取上げ、科学的思考と哲学的思考の相異を学習することを目的とする。

<授業計画及び準備学習>
 授業は大凡以下の順序で進められる。

1. 「もの」の様々な規定の仕方
2. 古代ギリシアにおける「こころ」の問題(1)
3. 古代ギリシアにおける「こころ」の問題(2)
4. 古代ギリシアにおける「こころ」の問題(3)
5. 古代ギリシアにおける「こころ」の問題(4) 
6. 間章〜古代ギリシアにおける、生成変化を廻るパラドクス(1) 
7. 間章〜古代ギリシアにおける、生成変化を廻るパラドクス(2)
8. 近世哲学における「こころ」と「もの」の問題(1)
9. 近世哲学における「こころ」と「もの」の問題(2)
10. 近世哲学における「こころ」と「もの」の問題(3)
11.「観念」と「もの」
12. 観念論と唯物論(1)
13. 観念論と唯物論(2)
14. まとめ 
15. 定期試験

準備学習:前回までの講義内容を復習し、自分なりにノートにまとめて置くこと。

<成績評価方法及び水準>
 受講者のきちんとした出席を不可欠の前提とした上で、定期試験の成績(85%)に、授業中の小レポート等の成績(15%)を加味して総合的に評価し、60点以上の者に単位を認定する。成績評価方法及び水準の詳細については初回授業時に説明するので、必ず出席すること。
 

<教科書>
 用いない。プリント等を適宜配布する。

<参考書>
 授業の中でその都度指示する。

<オフィスアワー>
 水曜日 15:20〜16:20 新宿校舎27階2773号室にて

<学生へのメッセージ>
 「科学」という言葉に信仰にも似た思いを抱く人が多いようですが、科学的な「説明」が実在のすべての「説明」を引き受けるものではないということにも気がついて欲しいと思います。今、「実在」という言葉を使ってしまいましたが、その意味を考えて置いて下さい。

 

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