2013年度工学院大学 第1部情報通信工学科
○物理学II(Physics II)[2563]
2単位 進藤 哲央 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- これまで学んできた「物理的な考察力」および「自分で考える姿勢」により,マクロ的な物理現象である「熱力学」,現代物理学の基本的な考えである場の理論へ通ずる「電磁気学」を中心に学んでいく。
このクラスは再履修クラスであるので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを補強するように配慮した進行となる。講義中に毎回小テストを実施する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 習熟度調査と熱力学の概要説明:気体の基本的な性質を現象論的にとらえ,熱とは何かを解説していく。
2. 気体分子運動論:気体の基本的な性質を気体分子の運動に起因すると考え,統計力学を基に考察していく。 3. 熱力学第1法則:力学的エネルギー保存則を拡大解釈し,熱力学第1法則を解説する。 4. 状態変化:状態変化について,例題を取り上げながら理解を進めていく。 5. 熱機関:熱機関とその効率について考察していく。 6. 熱的過程の性質:熱力学第2法則について解説をする。 7. 中間試験 8. 電磁気学の歴史とクーロンの法則:電磁気学の歴史的発展の様子を紹介し,クーロンの法則を学ぶ。 9. ガウスの法則:電気に関するガウスの法則を指導原理として,静電場について解説する。 10. 電気と磁気:電気におけるポテンシャルの考え方と,磁気への拡張,統一性を解説する。 11. 静電容量:導体と誘電体の解説をし,静電容量について学ぶ。 12. 電流と電気回路:電荷の時間変化を考え,直流による電気回路を説明する。 13. 電流の作る磁場:アンペールの法則による,電荷の時間変化と磁場の関係を学ぶ。 14. 電磁誘導:ファラデーの電磁誘導を導き,マクスウェル方程式の積分形を構築する。 15. 定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 中間試験,定期試験と講義中に行う小テストによる100点評価で行い,60点以上で合格とする。
- <教科書>
- 新たな指定はしないので,以前に履修したクラスで使用したテキストを持参すること。
- <参考書>
- 「理工系 物理学講義(改訂版)」加藤潔著(培風館)
本学の加藤潔教授によって書かれた理工系学生向けの標準的な物理学入門書である。基本から応用まで広く記載されているので,この1冊の内容を理解できていれば,それで十分であるといえる。本講義は,教科書を指定はしていないが,基本的にこの本と次の演習本の内容(レベル)を前提に進めていく。 「物理学演習テキスト」 (学術図書出版) 「理解はしているのだが,問題が解けない」とか「試験だけだめなんだ」といった学生もいるかと思う。一概には言えないが,基礎的な内容を把握していながらそれを発揮できないのは,練習不足な場合に多々見られる。そういった意味では,演習のテキストによる訓練は有用であると考える。もちろん,ほかの演習テキストでもよい。大切なことは,それを半期通して続けることである。
「裳華房フィジックスライブラリー・シリーズ」(裳華房) 初学者には難しい内容も含まれているが,このシリーズには一度物理学を学んできた学生には非常に有用な書籍が多い。特に物理数学IおよびIIは,電気系学科が学ぶべき数学の内容を詳しく解説している点から,一度目を通すことを勧める。また,座標系の解説には「解析力学」などがよいであろう。この本については,特にデバイス関連に進もうと思っている学生にとっての必修分野である量子力学を学ぶ際にも役に立つはずである。
「なっとくシリーズ」(講談社) 「0からやり直したい」という学生向けの書籍は多々あるが,少なくともそれらの書籍だけでは「単位を取る」レベルまではいけないことは理解しておいてほしい。とはいえ,本当に自信がないとすれば,例えばここであげた「なっとくシリーズ」などを使って,まず「物理学」や「数学」に慣れることも大切である。
- <オフィスアワー>
- 火曜日 15:00-16:30
水曜日 13:00-14:30 八王子キャンパス1-323号室
- <学生へのメッセージ>
- このクラスは再履修クラスなので,前回履修したときに何が足りなくて合格できなかったかの自己分析をしっかりやっておいてください。
質問は歓迎します。ただし,必ず居室にいるとは限らないので,E-mailを利用したり事前にアポイントメントをとるようにしたほうが効率はよいと思います。
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