2013年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

化学技術者の倫理(Ethics for Chemical Engineers)[5D02]

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2単位
中村 昌允 非常勤講師

最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
(1)科学技術者が負っている社会的責任を自覚し、プロフェッショナルな科学技術者となるための「科学技術者倫理」の基礎的考え方を身につける。
(2)行動の規範「公衆の安全、福利、健康を最優先する」を理解する。
(3)上記の行動規範と組織や顧客との契約との間で、技術者としてのジレンマに悩むことがある。その時の各自の判断基準を身に付ける。

<授業計画及び準備学習>
#1 技術者倫理とは何か/技術者倫理の基本的考え方
#2 ケーススタディ 1.バイト先で有害廃液を捨てるよう命じられた。
           2.おもわしくないデータがある。どうするか?
#3 プロフェッショナルな技術者―1 経営者と技術者
       (小型化洗剤の事業化、シティコープビル強度補強)
#4 プロフェッショナルな技術者―2 経営者と技術者 
       (チャレンジャー号の爆発 )
#5 プロフェッショナルな技術者―3 設計技術者の責任
(自動車リコール事件/自動回転ドア)
#6 プロフェッショナルな技術者―4 危機管理
       (集団食中毒事件、タイレノール事件)
#7 プロフェッショナルな技術者―5 事故とヒューマンエラー
       (JR福知山線脱線事故)
#8 プロフェッショナルな技術者―6 製品事故とPL法
       (カビ取り剤、シュレッダー、不二家 他)
#9 プロフェッショナルな技術者―7 技術者のジレンマ/内部告発
#10 プロフェッショナルな技術者―8 どこまで安全を求めるか?
#11 原発事故と科学技術者の責任−1 事故から学ぶリスクマネジメント
#12 原発事故と科学技術者の責任−2 説明責任(1)
#13 原発事故と科学技術者の責任−3 説明責任(2)
#14 日本の国際競争力とMOT
#15 期待される技術者  1.技術者の行動規範 2.研究者・技術者となるために

<成績評価方法及び水準>
講義の出席が7割以上のものを成績評価する。
 評価は、毎回小レポート(4割)、期末レポート(6割)

<教科書>
中村昌允:「技術者倫理とリスクマネジメント」、オーム社、(2012年)

<参考書>
科学倫理検討委員会:「科学を志す人びとへ」不正を起こさないために 化学同人(2007年)
社団法人日本技術士会 訳編「第3版 科学技術者の倫理 その考え方と応用」(丸善)

<オフィスアワー>
19F 化学系事務室  講義の前後

<学生へのメッセージ>
・第1回講義から出席すること(第1回はガイダンスではない)
・講義では、科学技術者が遭遇した実際の事例を数多く取り上げ、それぞれの局面で、どのように判断し、行動すべきかを一緒に考えてみたい。学生が実社会で遭遇することを紙上で理解するのは難しいが、実際の事例を当事者の気持ちになって考えること、すなわち事例を「仮想体験」することによって自ら考えることができ、それぞれの判断力や行動基準を磨くことができる。

 

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