2013年度工学院大学 第1部応用化学科

触媒設計(Catalyst Design)[3C06]

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2単位
五十嵐 哲 教授  
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最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
触媒反応プロセスは,石油精製,化学品製造,環境保全などの諸工業において,きわめて重要な役割を担っており,ゼロエミッションをめざす持続的社会のためのグリーンケミストリーに必要不可欠な技術である.本講では,触媒反応と触媒の基礎を学ぶとともに,各種の工業に用いられている触媒反応プロセスの具体例を学ぶ.
以下に,具体的な達成目標を示す.
(1)触媒についての基礎的な知識を修得すること,(2)諸工業で用いられている触媒反応プロセスの概要を知ること.
内容の理解を深めるために,計算を中心とする演習を行なうので,電卓を持参すること.

<授業計画及び準備学習>
1.「触媒とは」工業触媒の歴史,触媒の三大機能,触媒の分類
2.「化学平衡と反応熱」化学平衡と反応速度,発熱・吸熱反応と平衡反応率
3.「固体触媒の分類と機能」遷移金属,典型金属,複合酸化物
4.「分子の活性化と触媒機能の発現I」解離吸着,配位,酸塩基
5.「分子の活性化と触媒機能の発現II」触媒成分の複合化,金属触媒,固体酸・塩基,形状選択性
6.「エネルギー製造のための触媒反応プロセス」石油精製(ガソリン,脱硫),水素製造など
7.「化学品製造のための触媒反応プロセス−不均一系触媒反応」アンモニア合成,メタノール合成、酸化反応、脱水素反応など
8.「化学品製造のための触媒反応プロセス−均一系触媒反応」ポリマー合成(重合反応)など
9.「環境保全のための触媒反応プロセス」排煙脱硝,自動車排ガス浄化,TiO2光触媒,燃料電池など
10.「固体触媒の劣化原因と対策」
11.「固体触媒の調製と形状」
12.「吸着」Langmuirの吸着等温式
13.「触媒反応」不均一系触媒反応の反応機構と速度式
14.「触媒反応プロセスの将来」構造体触媒反応器,マイクロリアクターなど
15.学習効果の確認(試験):前回までの総復習

<準備学習> 毎回の復習を欠かさないこと.

<成績評価方法及び水準>
原則として,最終回に行なう試験を80点満点,4回の中間課題をそれぞれ5点満点で評価し,合計60点以上を合格とする.ただし4回以上欠席した学生は履修放棄をみなし成績評価を行なわない.

<教科書>
「新しい触媒化学 第2版」菊地英一ら著(三共出版)

<参考書>
「触媒化学」御園生,斉藤著,(丸善)
「触媒化学」上松ら著,(朝倉書店)
「化学反応操作」後藤繁雄編(朝倉書店)

<オフィスアワー>
授業終了後1時間.それ以外でもメールで約束の上,対応可.居室:19階1972室
E-mail: igarashi@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
「物理化学II」,「表面工学」が基礎となる.授業中に演習を行ない,またレポートによって理解度を把握する.わからないことは早めに質問に来ること.

 

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