2013年度工学院大学 第1部応用化学科

生体物質代謝(Metabolism Chemistry)[3B08]

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2単位
平 秀晴 非常勤講師

最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
生体物質代謝」では、生体内では種々の代謝経路が、共通の中間体を介してどのように結びつき、それらのバランスがどのようにして保たれているかを理解する。また、多細胞生物において個体レベルの統合がどのようにしてもたらされるかについても、シグナルに対する細胞の応答という観点から理解する。本講義を理解するためには、生物化学I〜III、酵素化学で学んだタンパク質の構造と機能、酵素反応の制御機構、個別の代謝経路に関する知識、遺伝情報発現に関する基礎知識が必要である。
達成目標:1)細胞内の物質代謝経路が密接に絡み合ったネットワークを形成し、それらが巧妙に調節されていることを理解する。2)解糖系の調節、グリコーゲン代謝と糖新生について理解する。また肝臓と筋肉のホルモンによるグリコーゲン代謝について理解する。3)細胞のシグナル伝達について、細胞膜上の受容体の役割、Gタンパク質によるシグナル伝達、細胞膜から核へのシグナル伝達について理解する。

<授業計画及び準備学習>
以下の項目にしたがって講義するが、都合により変更することがある。
1)代謝についての序論
2)解糖系の調節
3)グリコーゲン代謝と糖新生
4)肝臓と筋肉のホルモンによるグリコーゲン代謝
5)クエン酸サイクルの調節
6)酸化的リン酸化の代謝
7)シグナル伝達序論
8)シグナル伝達研究の歴史的経緯
9)細胞膜上の受容体の役割
10)Gタンパク質によるシグナル伝達
11)細胞膜から核へのシグナル伝達
12)MAPキナーゼ系によるシグナル伝達
13)TGF-βスーパーファミリーとJAK/STAT系のシグナル伝達
14)転写因子の核内輸送
15)学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
定期試験で最終成績を評価、60点以上のものに単位を認める。試験の際には自筆ノートのみ持ち込み可

<教科書>
使用しない

<参考書>
「基礎生化学」ヴォート著、田宮他訳(東京化学同人)
「シグナル伝達入門」服部成介著 羊土社

<オフィスアワー>
授業の後(あらかじめE-mailで予約することが望ましい)
E-mail: hitaira45@gmail.com

<学生へのメッセージ>
生化学I〜IIIで学んだこと、酵素化学で学んだことなどを各自で復習しながら勉強を進める心構えが必要。これまで、別のところで学んできたいろいろの事柄が、生体機能調節、シグナル応答のネットワークというキーワードで結びつけられるようになるということを実感して下さい。

 

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