2013年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○材料力学及演習I(Exercise of Strength of Materials I)[6C01]
3単位 小久保 邦雄 非常勤講師 [ 教員業績 JP EN ] 瀬戸 秀幸 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 材料力学は機械や構造物の強度設計に必須の学問である.機械の実際の強度設計をするには応力やひずみの概念を良く理解し、棒、軸、はりの応力と変形の算出式、また材料の性質などがすぐに頭に浮かんでくるようにしておく必要がある。講義の後で自分で問題を解くことによって、考え方を身につけ理解を深め実際に適用できるようにする。
実際のものを見てどこがもっとも壊れやすいか、また身の回りの機械、構造物を見てうまく設計されているか、判断できるようになることを目標にしている。
<JABEE学習目標> 「機械工学プログラム」:(D)◎ (F)○ 「機械システム基礎工学プログラム」: (C)○ (D)◎ 「国際工学プログラム」:(C)◎ (D)○ <JABEEキーワード> 引張・圧縮・せん断応力とひずみ,材料の強度と許容応力、材料の構造と組織、熱応力,ねじり,曲げ,応力解析,ひずみエネルギー
- <授業計画及び準備学習>
- 材料力学は実際の機械や構造物の強度設計を行う能力を修得するためにはなくてはならない学問です。その名の通り力学ですからこれまで学習した物理の力学や工業力学などの基本がよく理解できていないと材料力学は修得できません。材料力学が修得すると身の回りの機械を見て、その信頼性などについて考えることができるようになり、機械の破壊事故の原因などを推定できるようになり、日常生活において機械の信頼性という考えに親しくなることができ、社会に出てからも役に立つことが多いでしょう。
<授業計画> 1.棒の引張り・圧縮、 応力やひずみの初歩的な理解をするため棒に生じる応力、ひずみを学ぶ。 2.分布荷重、変断面の棒,不静定な組み合わせ棒の問題 分布荷重、変断面の場合には微分方程式によるつり合い方程式をつくる必要がある。 3.熱応力、組み合わせ棒、締結体 高温機器に生じる熱応力の考え方、組み合わせ棒に生じる熱応力を学ぶ。 4.はりの問題、せん断力と曲げモーメント分布図 はりの問題、この回はせん断力と曲げモーメント分布図の求め方を学習する。 5.はりの問題、せん断力と曲げモーメント分布図 はりの問題で少し複雑なせん断力と曲げモーメント分布図の求め方を学習する 6.はりの曲げ応力 Bernouilli-Eulerの仮定からはりの曲げ応力を求める式を誘導する。 7.断面二次モーメント はりの曲げ応力を求めるのに必要な断面二次モーメントを学習する。 8.はりのたわみ はりのたわみを用いてはりの釣り合い方程式を表す微分方程式を求める。 9.はりのたわみ たわみを用いた微分方程式の積分を各種のはりについて実行し、たわみを求める。 10.不静定はり 不静定はりの問題の解法は微分方程式を直接解く、重ね合わせ、最小仕事の原理などを応用する. 11.重ね合わせの方法 はりのたわみや応力を求めるのに重ね合わせの方法を用いる。 12.カスチリアーノの定理 カスチリアーノの定理などエネルギー原理を学習する。これらははりばかりでなく、軸や棒の問題に も適用できる。 13.軸のねじり,せん断応力 軸では引張り、圧縮の応力とは異なったせん断応力がおもに発生することを学ぶ。 14.コイルばね せん断応力の例として軸ばかりでなく、コイルばねにも生じることを学ぶ。 15.定期試験 これまでの講義と演習の内容について、もう一度確認・復習する。
- <成績評価方法及び水準>
- 講義の後で毎回行う演習の答案を提出する。成績はこの演習の答案の採点と結果と期末の試験の結果の両者で評価する。その割合は前者2,後者8の割合で行う。
- <教科書>
- 丸善機械工学基礎コース 「材料力学」 小久保,後藤,森,立野(丸善)
ほかに毎回プリントを配布
- <オフィスアワー>
- 講義と演習の間の時間または教員のメール(授業時間に連絡) を利用する。
- <学生へのメッセージ>
- 材料力学及は就職してからももっとも役に立つ科目です。また就職 試験、その他の資格試験にもよく出題されるのでよく反復練習して学び、 基本的な事項は頭のなかに入れておくことが重要です。
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