2013年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△材料力学及演習II(Exercise of Strength of Materials II)[5355]
3単位 田中 克昌 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 材料力学及演習Iで材料力学の基礎的な問題を学んだが,本授業では少し進んだ問題(不静定問題,大変形問題,エネルギーに関する定理,骨組み構造物など)を学習する.また実際の強度設計の基礎についても学習する.
<JABEE学習目標> 「機械システム基礎工学プログラム」:(D)◎ (F)○ <JABEEキーワード> 「機械システム基礎工学プログラム」:引張・圧縮・せん断応力とひずみ,材料の強度と許容応力,弾性と塑性,材料の構造と組織,曲げ,応力解析,真応力と真ひずみ,ひずみエネルギーとエネルギー原理,組み合わせ応力,トラス・ラーメン,破壊,疲労,塑性構成式
- <授業計画及び準備学習>
- (前提となる基礎知識)
本科目を履修する前に,「材料力学及演習I」を履修することにより,材料を扱う際の基礎的な考え方を習得しておく必要がある.
<授業計画> 1.材料力学及演習Iの復習 材料力学及演習IIを進めるにあたっては,材料力学及演習Iの知識が必須であるため,この復習を簡単に行う. 2.不静定はり 不静定はりの問題の解法は,微分方程式を直接解く,重ね合わせや最小仕事の原理などの応用について学ぶ. 3.カスチリアーノの定理 カスチリアーノの定理は,はりばかりでなく,軸や棒の問題にも適用できることを学ぶ. 4.ひずみエネルギーに関する諸定理 相反定理,最小仕事の原理,その他のひずみエネルギーに関する諸定理を学ぶ. 5.安定問題,座屈問題 非線形問題の一つである大変形問題について,平衡状態の安定性と分岐の考え方を学ぶ. 6.塑性座屈 比較的短い柱に生じる塑性座屈の現象を考え,実際の実験公式を学ぶ. 7.トラスの応力,トラスのたわみ トラスでは静定,不静定の問題があり,両者の違いと静定トラスの解法を学ぶ. 8.骨組み構造物,塑性設計法 一般の骨組み構造の考え方と塑性設計法の簡単な例を学ぶ. 9.二次元問題における応力・ひずみ 平面応力,平面ひずみの応力・ひずみ関係とつり合いの式,境界条件の基礎式を学ぶ. 10.モールの応力円,ひずみ円 二次元問題における応力の性質,主応力と主ひずみの求め方を学ぶ. 11.ひずみ測定法,応力測定法 モールの応力円,ひずみ円の応用としてひずみゲージによる応力の測定法を学ぶ. 12.応力集中,応力特異点 実際の機械の部品では応力集中や応力特異点が現れ,このような部分の強度との関連を学ぶ. 13.破壊,疲労破壊,強度設計 機械の部品の破壊モードを学び,特に重要な疲労強度の現象と評価の仕方を学ぶ. 14.破壊,疲労破壊の実際例 機械の部品の実際の疲労破壊例を紹介し,重要な疲労強度の評価の仕方を学ぶ. 15.学習成果の確認 定期試験を実施する.
- <成績評価方法及び水準>
- 授業形態は原則として,3時限目を講義,4時限目を演習とする.講義の後で毎回行う演習の答案を提出する.成績評価は,演習の答案の採点結果と定期試験の結果にて行い,その割合は演習を3,試験を7とする.合格点は60点以上とする.
- <教科書>
- 機械工学基礎コース「材料力学」,小久保邦雄,後藤芳樹,森孝男,立野昌義(丸善)
- <オフィスアワー>
- 講義と演習の間の時間をオフィスアワーとする.それ以外の時間は,別途相談により対応する.
- <学生へのメッセージ>
- 材料力学は,さまざまな物体(固体)が外力を受けてどのように変形するのか,物体の内部にはどのような力が作用しているのか,どのような条件で物体は壊れるのか,を考える学問であり,機械部品や機械構造を設計する指針を得るための基礎となります.繰り返し学習することにより,材料力学の考え方をしっかりと習得してください.
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