2013年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
△精密加工学(Precision Machining)[1A02]
2単位 瀧野 日出雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 我国のような先進工業国の製造業では,世界をリードする先進性と競争力に富んだ物づくりがもとめられる.また付加価値の高い製品を創造していかなければならない.精密加工学はこのような高度の技術を基盤とした物づくりに役立つ.
将来,機械系の技術者は,高品質の物づくりに関してさまざまな課題に直面するであろう.本授業は,それに的確に対応できるように,対象物を精密に加工するための考え方を身につけてもらうことをねらいとしている.具体的な達成目標は以下のとおりである. (1)精密加工を実施するうえでの諸原則が理解できている. (2)物づくりにおいて,上記(1)に基づいて高精度達成の方針を策定できる. (3)さまざまな精密加工法の原理と特徴が理解できている. (4)高い精度が要求される物づくりにおいて,上記(3)に基づいて最適な精密加工法を選定でき,高精度達成の方策を見いだすことができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 精密加工を実施するうえで重要な諸原則を解説する.それら諸原則の理解を深めるために,代表的な精密加工法の原理や特徴を解説する.ここでは,各精密加工法の原理を自然科学や工学基礎の立場から解説して,加工メカニズムや加工領域で生じている現象を理解してもらう.さらに,最近の精密製品の製造例を紹介することにより,これまでの学習内容の理解を深めてもらう.なお,精密加工を実現するために重要な計測技術や,近年注目を集めているナノテクノロジーの分野で用いられる加工技術にもふれる.
各週の具体的な授業計画は下記のとおりである.ただし,理解度に応じて授業内容を変更することもありうる. 01週 ガイダンス,精密加工とは 02週 精密加工の概論 03週 精密加工の歴史 04週 精密加工の原則1:加工誤差要因、加工段階の原則 05週 精密加工の原則2:強制加工と圧力加工 06週 精密加工の原則3:弾性変形 07週 精密加工の原則4:熱変形 08週 精密加工の原則5:振動 09週 精密加工用工具1:表面粗さ、工具摩耗 10週 精密加工用工具2:工具寿命、工具用材料 11週 工作機械1:工作機械の基本構成 12週 工作機械1:送り系、主軸系 13週 精密加工の作業環境 14週 さまざまな精密加工法 15週 学習成果の確認(試験)
各週の準備学習: 隔週程度の頻度で課題を出すので,次週提出すること.予習は不要と考えているが,授業の理解度によっては予習課題を出すこともありうる.
- <成績評価方法及び水準>
- 最終回に行う試験を60点,講義中に出題する課題を40点としその合計得点により最終成績を評価します.60点以上に単位を認定します.
- <教科書>
- なし
- <参考書>
- 精密加工で使われる各種の加工技術については、たとえば下記の書籍などで解説されている.
・JSMEテキストシリーズ 加工学I −除去加工− 日本機械学会発行 丸善(株)発売 2006年
- <オフィスアワー>
- 授業前後に兼任講師控え室でおこないます.ただし,事前に講師宛に電子メールを送って予約をしてください.簡単な質問等であれば、電子メールでも対応します.メールアドレスは,ガイダンスの時にお知らせします.
- <学生へのメッセージ>
- 深い専門性(縦棒)と幅広い知識(横棒)とを備えたT字型の技術者をめざしてください.深い専門知識とそれに基づく課題解決力は,技術者として社会からの期待にこたえて活躍していくうえで重要であり,幅広い知識は急速に変化している社会に適応してさらなる活躍をしていくために大切であると思います.
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