2013年度工学院大学 第1部機械工学科
△現代の論理学(Modern Logic)[1315]
2単位 田村 慶一 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- わたしたちがともかくも思考していることは事実です。とはいえ,論理的であるとはどういうことか,あるいは,論理とは何かを知らないままに,またそうしたことを意識的,自覚的に考えたことがないままになってはいないでしょうか。問題を解決しよう,目標を達成しようと努力しているときであっても,人間の思考活動は必ずしも論理的であるとは限りません。しかし,日常生活においても,科学的研究においても、理にかなった思考をすることが必要であり、大切であるということは強調するまでもないでしょう。理にかなった思考のためには、思考が理にかなっているかどうかが分からなければいけません。論理的思考について反省してみることが必要になってきます。「思考についての思考」が問題となるところに「論理学」は登場します。
この講義は,「論理的に思考する」ということに意識的、自覚的になることをめざして、論理学の基本的な理論と技術を習得することを目的とします。 内容としては、現代の「記号論理学」への入門として「命題論理」について学んでいきます。以下の諸点を最小限の達成目標として学習を進めてください。
【達成目標】 1.論理的結合子の定義を理解し、論理式を構成できる。 2.命題と論理式の区別と関連性、推論と推論形式の区別と関連性を説明できる。 3.命題とその真理値の関連を「真理関数」として説明できる。 4.命題をその真理値の可能性から類別でき、特に命題の恒真性を判定できる。 5.命題の恒真性と関係づけて推論の妥当性を判定できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 下記の順にテキストの内容にそって講義中心に授業を進めます。授業では毎回、しめくくりとして小問を出題し回答してもらいます。
準備学習は復習が大切です。各回の授業についてテキストの該当箇所とノートを対照させながら復習し、次回の授業に備えてください。テキストの該当箇所は次回の分を含めて各回の授業時に確認します。特に「論理的結合子の一般的考察」の回の授業ではテキストの内容を越えるところもありますので、板書などを手がかりにしっかりノートをとり、毎回必ず復習してください。
第1回 記号と計算 第2回 命題論理における命題:要素命題と複合命題 第3回 命題の記号化:論理的結合子の定義 第4回 命題と論理式:論理式の定義 第5回 命題の真理値と真理表 第6回 真理関数と真理関数的命題 第7回 トートロジーと論理法則 第8回 論理的結合子間の定義的関係 第9回 論理的結合子の一般的考察 第10回 命題論理における推論:推論の妥当性と推論形式 第11回 恒真性と妥当性 第12回 推論の妥当性のテスト 第13回 演繹的論証 第14回 例題演習 第15回 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 毎回の授業に出席すること、授業中の確認チェック問題に回答すること、以上は点数として評価するものではありませんが、成績評価を受けるための前提です。単位の認定は原則として学期末定期試験の成績によるものとし、成績が60点以上の場合に単位を認めます。
- <教科書>
- 平野耿編『思考の回路−論理学ABC−』(富士書店)
- <参考書>
- 沢田允茂著『考え方の論理』(講談社学術文庫)
山下正男著『論理的に考えること』(岩波ジュニア新書)
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室または兼任講師室で。
- <学生へのメッセージ>
- 念のための確認ですが、効果的な学習環境を確保するために、対象学科・学年の履修についても制限する場合があります。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2013 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|