2012年度工学院大学 教職課程科目
社会教育(Social Education)[9521]
2単位 穂積 健児 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 人類が平和に生きる権利の先駆けとなった日本国憲法(第9条等)発布から60年以上経ってようやく
「平和への権利」が全世界の共通目標になりつつあります。 生涯学習(社会教育)は、世界が平和で豊かな人間中心の開発へ進むためにも、「人々が歴史の主人公」になる必要があり、そのための『鍵』だといわれています。こうした世界の動向に比べ、わが国では「公教育」としての生涯学習(社会教育)の合理化・民営化・教育の独立性の破壊が進み、国や自治体はその責任を放棄し続けています。世界に開かれた 日本が国際化をめざすならば、当然、世界の動向に敏感でなければなりません。 「井の中の蛙」状態から早く脱却し、「自由・平等・人権・平和」の確立という世界の動きを見つめ、これからのわが国の「公教育」としての生涯学習(社会教育)のありようをともに学びたいと思います。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 講義 ガイダンス「生涯学習(社会教育)とは何かー現代社会との関係」
第2回 講義 人間にとって「学習」とは何か(人間の本性・学習と生涯学習) 第3回 講義 生涯学習とは何か(その1)「身近にある生涯学習=学校教育+社会教育」 第4回 講義 生涯学習とは何か(その2)「生涯学習(社会教育)の歴史、概念、体系」 第5回 講義 生涯学習とは何か(その3)「諸外国の状況、歴史」 第6回 講義 生涯学習とは何か(その4)「生涯学習の真髄=ユネスコの『学習権宣言』に学ぶ」 第7回 実習 施設見学レポート、討論(公民館について) 第8回 実習 施設見学レポート、討論(図書館について) 第9回 実習 施設見学レポート、討論(博物館について) 第10回 実習 施設見学レポート、討論(日本の特徴『平和博物館』について) 第11回 実習 施設見学レポート、討論(その他の社会教育施設について) 第12回 講義 日本の生涯学習の実践から学ぶ「戦後の社会教育実践」 第13回 講義 生涯学習の課題(その1)「公共性、法律、制度、行財政」 第14回 講義 生涯学習の課題(その2)「施設、職員、運営、学習課題、指導者等」 第15回 講義 21世紀の生涯学習を展望する「世界の動き、国際人権規約、学習権宣言、男女平等条 約、子どもの権利条約、平和への権利等」
- <成績評価方法及び水準>
- レポート80%:教場・定期試験は実施せず、レポート提出。学習成果の評価と自分自身の考え方を重視
平常点10%:グループ単位の調査報告、発表内容、方法、調査対象に対する理解度、プレゼン能力重視 その他10%:毎回授業に対する感想・意見を宿題として提出してもらいます。
- <教科書>
- 「現代教育基礎論」(酒井書店/橋本太朗編著)、「社会教育のしごと」(社会教育推進全国協議会編)
「ユネスコ学習権宣言と基本的人権」(教育史料出版会/藤田秀雄編著)
- <参考書>
- 「表現・文化活動の社会教育学」(学文社/畑潤・草野滋之編著)、「平和への権利を世界に」(かもがわ出版/笹本潤・前田朗編著)、その他授業時間中に随時紹介します。
- <オフィスアワー>
- 授業時間後、午後2時30分〜3時
- <学生へのメッセージ>
- 毎回レジュメは作成して提出しますが、教科書は購入してください。レポートが評価の中心ですので、必ず提出してください。自分自身の考え方・意見を重視します。皆さんと交流も深めたいと思います。
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