2012年度工学院大学 第2部建築学科

宗教論A(Religious Studies A)[3604]

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2単位
田口 博子 非常勤講師

最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
フリードリッヒ・シラーの遊戯論
宗教学の有力な学説のひとつに、聖俗論があります。神的なものが顕現する領域が「聖」。経済や政治活動などが行われる日常の領域が「俗」。この二つの領域の関連を聖俗論は探究します。ところで文化人類学や文化史では、「聖」と「俗」の他に「遊」という領域を設定することがあります。
今期は遊びの本質について考察した、18世紀ドイツの思想家であるフリードリッヒ・シラーの「人間の美的教育について」を詳しく見て行きます。この著作は、特にカントとフィヒテの思想に影響を受けていると言われます。まずカントの『判断力批判』における美的判断・趣味・共通感覚、フィヒテの衝動理論を説明してから、現代ドイツの哲学者ハンス・ゲオルグ・ガダマーの論考を取り上げます。そして、シラーにおいて「遊」が「聖」と「俗」とどのように関わりあっているのかを考えてみたいと思います。

<授業計画及び準備学習>
第1回  導入
第2回 『判断力批判』(1):美的判断
第3回        (2):趣味
第4回        (3):共通感覚
第5回  フィヒテの衝動理論について    
第6回 『真理と方法』(1):共通感覚・判断力・趣味
第7回        (2):美的教養への批判
第8回        (3):美的なものの時間性
第9回  「人間の美的教育について」(1)感性的衝動(素材衝動)
第10回              (2)形式衝動 
第11回              (3):遊戯衝動 
第12回              (4):自然 
第13回              (5):美的仮象 
第14回              (6):趣味 
第15回 まとめ

<成績評価方法及び水準>
学期末のレポート(3000字程度)80%、リアクションペーパー20%で評価します。

<教科書>
適宜プリントを配布します。

<参考書>
テクストとして使用するのは以下の通りです。
フリードリッヒ・シラー(石原達二訳)、『美学芸術論集』、冨山房
イマヌエル・カント(宇都宮芳明訳)『判断力批判』(上・下)、似文社
ハンス・ゲオルグ・ガダマー、『真理と方法』(I,II)、法政大学出版会

<オフィスアワー>
水曜6限

<学生へのメッセージ>
毎回リアクションペーパーを提出していただきます。

<備考>
特になし。

 

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