2012年度工学院大学 第2部機械システムデザイン学科

数値計算法(Numerical Method)[2F72]

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2単位
大石 久己 准教授  
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最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 数値計算は工学問題を解く有力な手段の一つであり,それぞれの問題に適した計算法をしっかり理解し,その使用法を習得しておく必要がある.この授業では,代表的な数値計算の方法について,講義と演習を行う.以下に具体的な努力目標を示す.
(1) 計算機による計算では足し算や引き算で簡単に誤差が発生してしまうことを知る.
(2) 実験値などの飛び飛びのデータから簡単な関係式を求める方法を理解し,使えるようになる.
(3) 連立1次方程式を解くための解法を理解し,使えるようになる.
(4) 解析的には積分できない関数を数値的に積分する方法を理解し,使えるようになる.

<授業計画及び準備学習>
1:計算機の中でどのように数が表現されているか,そのことによって発生する誤差について学習する.
2:2次方程式の計算例などを示し,計算機による計算では足し算や引き算で簡単に誤差が発生してしまうことを知る.
3:数値計算の誤差についてまとめ,演習課題の説明を行う.
4:実験などの飛び飛びのデータから簡単な関係式を求める方法として,ラグランジュの補間法を学習する.
5:繰り返し計算を行う場合に,より高精度な値を効率よく求めることができるリチャードソンの補外法を学習する.
6:補間法,補外法についてまとめ,演習課題の説明を行う.
7:連立1次方程式を解くための数値解法として,ガウスの消去法とガウス・ジョルダンの消去法を学習する.
8:クラウト法による連立1次方程式の解法を学習する.
9:連立1次方程式の数値解法についてまとめ,演習課題の説明を行う.
10:解析的には積分できない関数を数値的に積分する方法として,台形法,シンプソン法を学習する.
11:より高精度な値を効率よく求めることができるロンバーグ積分法を学習する.
12:数値積分法についてまとめ,演習課題の説明を行う.
13:今まで学習してきた数値計算方法を確認し,課題の問題点を整理し,理解を深める
14:授業で学習した方法を中心に数値計算についてまとめ,数値計算における注意点を学習する.
15: 期末試験

<成績評価方法及び水準>
 講義科目ではあるが,科目の性質上,課題を出すので必ず提出すること.評価は,期末テストの結果(45%)と課題の評価結果(55%)で合計が60点以上の者に単位を認める.

<教科書>
「数値計算テキスト」松田弘著(日本理工出版会)

<参考書>
授業では特に参考書は定めない.ただし,図書館に数値計算のための多くの本があり参考となる.

<オフィスアワー>
 授業後教室にいるので,気軽に質問してもらいたい.また,火曜日7限終了後21:15〜21:45(新宿1772室または1863室).これ以外でも,1772室前の質問用紙(記入例をよく見て記入)と掲示連絡で約束の上,対応可.

<学生へのメッセージ>
 コンピュータの進歩により便利なソフトも増えているが,それらを使いこなすためには,ブラックボックスとして使うだけでなく,最も代表的な方法についてしっかり理解しておくことが必要である.課題はかなりの計算をすることになるが,一度時間をかけ取り組むことで理解を深めることができると期待している.

 

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