| 2012年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
 
 情報コンテンツと知的財産(Contents and Intellectual Property)[3B82] 2単位
 中島  淳 非常勤講師
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  情報産業に関係する技術者にとって、特許、商標、著作権などの知的財産権に関する法律や知的財産戦略の知識は必要不可欠となっている。製造、販売、サービスなどのビジネス上で心得るべき基礎的知識を解説する。
 以下に具体的な達成目標を示す。
 (1)特許など知的財産権の大まかな枠組みの知識習得
 (2)権利として保護される発明要件などの基礎的知識の習得
 (3)特許庁などにおける登録手順や、権利の利用についての基礎的知識の習得
 (前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目の履修前予備知識は不要。
 本科目の履修内容はビジネス上での知的財産実務の基礎として利用できる。
 
<授業計画及び準備学習>
  第1週  特許法の位置付け、特許制度の目的準備学習:高校以前に学習した歴史上の発明が社会へ果たす役割について自己の考えをまとめておくこと。
 第2週  特許権の特徴、日本の知財政策
 準備学習:法学と工学の差異についての復習と、我が国にとって知財の必要性を考えておくこと。
 第3週  特許の保護対象(発明の定義、産業上の利用性と新概念)
 準備学習:日本にとっての最善の知財政策を復習し、発明とは何かについて考えておくこと。
 第4週  情報産業と保護対象
 準備学習:発明の定義と時代の変遷について復習し、情報産業における発明にはどのようなものがあるかを考えておくこと。
 第5週  特許の保護対象(新規性、進歩性など)
 準備学習:情報産業の知的財産保護対象について復習し、発明と新しさとの関係について考えておくこと。
 第6週  特許を受けることができる者と職務発明
 準備学習:新規性と進歩性の定義について復習し、何をした人が発明者であるかについて考えておくこと。
 第7週  創作と発明手法
 準備学習:社員と職務発明との関係について復習し、どうしたら新たな発明が生まれるかについて考えておくこと。
 第8週  出願手続、審査・審判手続
 準備学習:発明手法の手順を身近な問題について適用して復習し、特許審査の手順について考えておくこと。
 第9週  特許権、国際特許、特許権の利用活用
 準備学習:審査手続きについて復習し、登録後の権利内容について考えておくこと。
 第10週  知財紛争事例紹介と対応
 準備学習:国際的権利取得手法について復習し、権利侵害に対して権利者がどのように対応すべきかを考えておくこと。
 第11週  ビジネスの創作と知的財産戦略
 準備学習:知財紛争事例においての留意点を復習し、企業が知財をどのようにビジネス上で利用したらよいかを考えておくこと。
 第12週  実用新案制度、意匠制度
 準備学習:想定企業の知財戦略のあり方について復習し、特許以外の知財権について考えておくこと。
 第13週  商標制度、著作権制度
 準備学習:実用新案及び意匠について特許との違いを復習し、ブランド保護のありかたについて考えておくこと。
 第14週  不正競争防止法、弁理士制度
 準備学習:商標と著作権について特許との違いを復習し、産業財産権以外の権利について考えておくこと。
 第15週  学習成果の確認(レポート課題作成)
 
<成績評価方法及び水準>
  授業中に課すレポート課題への提出内容により評価する。レポート課題は、発明提案書などの出願書類の作成や、法律的判断に関する内容であり、複数回のレポート提出が必要となる。
 各演習の合計点が、60点以上の場合に単位を認める(100点満点)。
 授業中のディスカッションにおいて特に優れた意見を述べた場合には加点(最大10点)する場合もある。
 出席状況は原則として評価の対象としないが、出席しないと課題演習は対応できない。
 
<教科書>
  指定なし(プリントを授業中に配布する)
<参考書>
  指定なし
<オフィスアワー>
  授業終了後教室にて
<学生へのメッセージ>
  法律解釈が主なので、エンジニアには馴染み難い。しかし、実社会ビジネスに直結しており、知的財産立国が標榜されている今日の企業実務では関係することが多い内容である。
 
<参考ホームページアドレス>
  連絡先:j-nakajm@taiyo-nk.co.jp 
   
 
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