2012年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
経済学の基礎(Introduction to Economics)[4A74]
2単位 矢崎 敬人 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 国際的な舞台で活躍するエンジニアに求められる,経済の動きについての基礎的な理解を身に着けてもらうことがこの授業のねらいである.ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎を修得し,これらを基に日本や世界が直面している経済問題を理解する力をつけてもらうことが達成目標である.
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」(A)◎,(E)○
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス,経済学の十大原理
今回の内容:ガイダンス.経済学とは何か,人々はどのように意思決定するか,人々はどのように影響しあうか,経済は全体としてどのように動いているか.
2.経済学者らしく考える 準備学習:教科書(下記参照)第1章,第2章を読んで理解しておくことこと. 今回の内容:科学者としての経済学者,政策アドバイザーとしての経済学者,なぜ経済学者の意見は一致しないのか.
3.相互依存と取引(交易)からの利益 準備学習:教科書第3章を読んで理解しておくことこと. 今回の内容:現代経済の寓話,比較優位の原理,比較優位の応用例.
4.市場における需要と供給の作用 準備学習:教科書第4章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:市場と競争,需要,供給,需要と供給の組み合わせ,価格はどのように資源を配分するか.
5.需要,供給,及び政府の政策 準備学習:教科書第5章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:需要・供給の価格弾力性,価格規制,税制.
6.消費者,生産者,市場の効率性 準備学習:教科書第6章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:消費者余剰,生産者余剰,市場の効率性,市場の失敗.
7.外部性と公共財 準備学習:教科書第7章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:外部性と市場の非効率性,外部性に対する公共政策,当事者間による外部性の解決,財の様々な種類,公共財,共通資源.
8.国民所得の測定 準備学習:教科書第8章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:経済の所得と支出,国内総生産(GDP)の測定,GDPの構成要素,実質GDPと名目GDP,GDPと経済厚生.
9.生計費の測定 準備学習:教科書第9章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:消費者物価指数,インフレーションの影響に対する経済変数の補正.
10.生産と成長 準備学習:教科書第10章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:世界の国々の経済成長,生産性の役割と決定要因,経済成長と公共政策,長期的成長の重要性.
11.貯蓄,投資と金融システム 準備学習:教科書第11章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:金融機関と市場,国民所得勘定における貯蓄と投資,貸付資金市場.
12.総需要と総供給 準備学習:教科書第12章を読んで理解しておくこと. 今回の内容:経済変動に関する3つの重要な事実,短期の経済変動の説明,総需要曲線,総供給曲線,経済変動の2つの原因.
13.総需要に対する金融・財政政策の影響 準備学習:第12回授業の内容を復習しておくこと. 今回の内容:融政策は総需要にどのように影響を与えるか,財政政策は総需要にどのように影響を与えるか,経済安定化のための政策の使用.
14.まとめ 準備学習:今期の内容全体を復習し,不明点を明らかにしておくこと. 今回の内容:今期の内容全体の復習,応用問題の議論.
15.学習成果の確認(試験) 準備学習:今期の内容を総復習しておくこと.
- <成績評価方法及び水準>
- 授業への貢献,授業中に実施する小テスト,レポート:50%
試験:50%
- <教科書>
- ○N・グレゴリー・マンキュー(2008)『マンキュー 入門経済学』(足立英之,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之,柳川隆訳)東洋経済新報社.
原著N. Gregory Mankiw (2004), Principles of Economics (3rd Edition), Mason, OH: South-Western.から入門レベルに最低限の内容をカバーする章を抜き出したもの.なお,著者のマンキューはブログ(http://gregmankiw.blogspot.com/)を開設しており,時事問題についての経済学的な考え方を紹介するなどしていて面白い.
- <参考書>
- ○N. Gregory Mankiw (2011), Principles of Economics (6th Edition), Mason, OH: South-Western Cengage Learning.
上記のマンキューの教科書の原著の最新版.情報がアップデートされているだけでなく,全面的に改稿されていて理解しやすくなっている.英語が得意な学生におすすめ.
マンキューによる教科書以外の入門レベルの経済学の教科書をいくつかあげておく.
○ジョゼフ・E・スティグリッツ,カール・E・ウォルシュ(2005)『スティグリッツ 入門経済学(第3版)』(薮下史郎,秋山太郎,蟻川靖浩,大阿久博,木立力,清野一治,宮田亮訳)東洋経済新報社. これは原著Joseph E. Stiglitz and Carl E. Walsh (2002), Economics (3rd edition), New York: W.W. Norton & Coから入門レベルに最低限の内容をカバーする章を抜き出したもの.マンキューの教科書より分厚い.マンキューとスティグリッツ,ウォルシュを比較すると,マンキューの方が簡潔,スティグリッツ,ウォルシュの方が丁寧.
○Joseph E. Stiglitz and Carl E. Walsh (2006), Economics (4th edition), New York: W.W. Norton & Co. 上記のスティグリッツ,ウォルシュによる教科書の原著の最新版.情報がアップデートされているだけでなく,より読みやすい簡潔な記述になっている箇所も多い.英語が得意な学生にはおすすめ.
○伊藤元重(2008)『入門 経済学(第3版)』
○猪木武徳,鴇田忠彦,薮下史郎編(2000)『入門・経済学(新版)』有斐閣.
○飯田泰之,中里透(2008)『コンパクト マクロ経済学』新世社. マクロ経済学部分についての参考書.その名のとおり,説明がとても簡潔で読み進めやすい.
その他の文献は授業の中で紹介する.
- <オフィスアワー>
- [前期]
(八王子1号館講師室)金曜日2時限の前後. (新宿1167号室)火曜日昼休み(12:10-13:00),木曜日昼休み(12:10-13:00).
上記日時以外でもメールで予約の上で面談可.
- <学生へのメッセージ>
- 経済学的なものの見方を身につけ,身の回りで起こっている様々なことや新聞記事の内容について,今までより深く理解できるようになろう.
他学年,他学部の学生,大学院生の聴講も歓迎する.なお,本講義の開講は今年度が最後となる予定である.
- <備考>
- 連絡のためキューポートを随時使用する予定.キューポートに配信された連絡が必ず届くよう各自で設定すること.
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