| 2012年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
 
 △物理学演習III(Exercises in Physics III)[4570] 1単位
 小池 正史 非常勤講師
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  ● 概要* グローバルエンジニアリング学部における学習の土台の1つとして、物理学の基礎を学ぶ。
 * 物理学演習IIIでは流体力学、波動、熱力学、電磁気学、および20世紀の物理を扱う。
 * 電磁気学については、すでに物理学IIと物理学演習IIで基礎的な部分を学習したことを前提にする。
 
 ● 目標
 (1) 流体の基礎的な概念を理解すること。
 (2) 波動の基礎的な概念を理解すること。
 (3) 熱力学の基礎的な概念を理解すること。
 (4) 物理学IIと物理学演習IIで学んだ電場・磁場の概念を復習し、場の中での荷電粒子の運動を理解すること。
 (5) マクスウェルの方程式を構成する4つの法則の意味を理解し、簡単な系に対して使えるようになること。
 (6) 電磁波の概念と性質を理解すること。
 (7) 20世紀の物理学の礎となった特殊相対性理論と量子論について知ること。
 
 ● JABEE学習・教育目標
 「国際工学プログラム」
 * (C) 基礎工学・専門工学知識の習得:◎
 * JABEE基準1の(1)の知識・能力: (c)(d)の(1): ◎
 
 ● 前提となる基礎知識と修得後の展開
 * 前提となる基礎知識:「物理学I」、「同演習I」、「物理学II」、「同演習II」で扱っ
 た力学・熱力学・電磁気学の基礎部分。
 * 修得後の展開:本科目の内容は、物理学の知識を基礎として要求する各専門科目の履
 修に役立つ。
 
<授業計画及び準備学習>
  ● 注意事項* 実情に応じて内容を取捨・補充・入れ替えをすることがある。
 
 *準備学習で示した教科書の「理解しておく」箇所については、次を行うこと。
 ・ 本文を熟読する。
 ・ 本文で説明された計算を自分の手でも行って、理解を確かめる。
 ・ 例題や章末問題なども解こうと試みることが望ましい。
 
 *準備学習で示した演習教材の「準備しておく」箇所については、次を行うこと。
 ・ 問題英文を理解する。知らない単語は辞書で意味や発音などを調べる。
 ・ 問題に自ら取り組み、ノートなどに解答を自分の言葉で答案形式にまとめる。
 ・ 問題は必ずしも完全に解ける必要はないが、解けない問題は疑問点や不明な点を整理しておく。
 
 ● 授業計画
 第1回: ガイダンス、予備知識の確認
 キーワード: 微分法、積分法、ベクトルの内積と外積、質点の運動、仕事、エネルギーとその保存、運動量など。
 準備学習: 高等学校、大学入学後に学習した数学と物理学の内容を十分に復習する。
 
 第2回: 流体力学1 (静止流体)
 キーワード: 密度、圧力、パスカルの原理、浮力、アルキメデスの原理。
 準備学習
 * 教科書 第6章、98〜100ページを理解しておく。
 * 演習教材「静止流体」を準備しておく。
 
 第3回: 流体力学2 (流体の運動)
 キーワード: 流量とその保存、ベルヌーイの定理、流れの相似則、レイノルズ数、循環、非圧縮性。
 準備学習
 * 教科書 第6章、100〜102ページを理解しておく。
 * 教科書 第6章、104ページを理解しておく (非圧縮性流体の性質)。
 * 演習教材「静止流体」を準備しておく。
 
 第4回: 波動1 (波動の記述、波動の性質)
 キーワード: 波長、周期、振動数、角振動数、位相速度、正弦波、進行波、干渉、ヤングの実験。
 準備学習
 * 教科書 第7章、107〜111ページを理解しておく。
 * 演習教材「波動(1)」を準備しておく。
 
 第5回: 熱力学1 (気体の状態変化)
 キーワード: 状態方程式、ポアソンの法則。
 準備学習
 * 教科書 第8章、121〜124ページと132〜136ページを理解しておく。
 * 演習教材「気体の状態変化」を準備しておく。
 
 第6回: 熱力学2 (熱力学第2法則)
 キーワード: 熱機関の効率、熱力学第2法則。
 準備学習
 * 教科書 第8章、136〜146ページを理解しておく。
 * 演習教材「熱力学第2法則」を準備しておく。
 
 第7回: 電磁気力 (電磁場下での荷電粒子の運動; 電流間に働く力)
 この回の内容は、物理学II、同演習IIの内容の復習となる。
 キーワード: 運動方程式、荷電粒子が電場から受ける力、ローレンツ力、電流どうしの間に働く力(アンペール力)。
 準備学習
 * 以下の既習事項について、十分に復習と理解をしておく。
 ・ 運動方程式の立て方、解き方 (教科書 第1章、第2章)。
 ・ 電荷が電場から受ける力 (教科書 第9章 155〜160ページ)。
 ・ ローレンツ力 (教科書 第9章 191〜194ページ)。
 ・ 電流どうしの間に働く力 (教科書 第9章 194〜195ページ)。
 * 演習教材「電磁気力」を準備しておく。
 
 第8回: 電位
 キーワード: 電位。
 準備学習
 * 教科書 第9章、167〜171ページを理解しておく。
 * 演習教材「電位」を準備しておく。
 
 第9回: コンデンサー、電気的エネルギー
 キーワード: コンデンサー、電気容量、コンデンサーが蓄えるエネルギー、電場のエネルギー密度。
 準備学習
 * 教科書 第9章、171〜173ページを理解しておく。
 * 演習教材「コンデンサー、電気的エネルギー」を準備しておく。
 
 第10回: アンペールの法則
 キーワード: アンペールの法則。
 準備学習
 * 教科書 第9章、175〜178ページを理解しておく。
 * 演習教材「アンペールの法則」を準備しておく。
 
 第11回: 電磁誘導
 キーワード: ファラデーの法則(電磁誘導)、自己インダクタンス、コイルが蓄えるエネルギー、磁場のエネルギー密度。
 準備学習
 * 教科書 第9章、182〜183ページを理解しておく。
 * 演習教材「アンペールの法則」を準備しておく。
 
 第12回: 直流回路
 キーワード: オームの法則、キルヒホッフの法則。
 準備学習
 * 教科書 第9章、201〜203ページを理解しておく。
 * 演習教材「直流回路」を準備しておく。
 
 第13回: Maxwell方程式と電磁波
 キーワード: 電荷の連続の方程式、微分形のマクスウェル方程式、ポインティングベクトル、波動方程式、電磁波。
 準備学習
 * 教科書 第9章、186〜191ページを理解しておく。
 * 教科書 209ページ問9.11を理解しておく (電荷の連続の方程式)。
 * 演習教材「Maxwell方程式と電磁波」を準備しておく。
 
 第13回: 相対性理論
 キーワード: 相対論的な速度の合成則、時間の遅れ、質量とエネルギーの等価性、ローレンツ変換。
 準備学習
 * 教科書 第10章、211〜218ページを理解しておく。
 * 演習教材「相対性理論」を準備しておく。
 
 第14回: 量子論
 キーワード: 光子のエネルギーと運動量、物質波、不確定性原理、コンプトン効果。
 準備学習
 * 教科書 第9章、186〜191ページを理解しておく。
 * 教科書 第3章、68〜69ページを理解しておく (2次元の衝突)。
 * 演習教材「量子論」を準備しておく。
 
 第15回: 学習成果の確認 (試験)
 準備学習 前回までの総復習を行う。
 
<成績評価方法及び水準>
  * 評価は、平常点および/または試験に基づいて行う。・ 平常点:「板書による発表」・「小テスト」などによる。
 ・ 試験点:「期末試験」による。
 * 「平常点50:試験点50」の割合の評点と、試験のみの評点の、高い方を総合評点とする。
 * 総合評点は100点満点とし、60点以上の学生に単位を認める。
 
<教科書>
  * 演習問題:教材を配布する。* 教科書:『理工系物理学講義(改訂版)』培風館、加藤潔 著 (物理学IIIで使用のもの)。
 
<オフィスアワー>
  * 木曜日 12:45〜13:15、授業開始前・終了後 (八王子校舎1号館206室)。* 担当教員は開講日以外八王子校舎不在なので、予め連絡を取っておくのが確実です。
 * 質問内容によっては、自分の学籍番号と氏名を明記の上で担当教員に電子メールで問い合わせてもよい: (at)は@に置き換える:
 
 <学生へのメッセージ>
  * 授業に出席することで、勉強の時間をしっかり確保しよう。* 物理学は、基本法則からの積み重ねで自然を理解する分野です。
 * 授業では、暗記してでも答えを出すよりも、自分であれこれ考えて試行錯誤したり、
 新しく習ったことを実地で試してみたりする方がずっと大切です。
 * 手間と時間は惜しまないことにしよう。大変なのは(きっと)最初だけです。
 * わからないことは、たとえ中学・高校の内容でも迷わず戻って復習しよう。いやがったり恥じたりする必要なし。
 * 1度理解したのに、また忘れてしまうのは非常にもったいない。ちょくちょく復習しよう。試験前にまとめて復習するよりずっと楽です。
 
<参考ホームページアドレス>
  加藤潔先生の教育用Webページ http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/teaching.html
   
 
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