| 2012年度工学院大学 第1部建築都市デザイン学科
 
 建築都市デザインII(Design Studio in Architecture and Urbanism II)[2C13] 3単位
 野澤  康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 澤岡 清秀 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 倉田 直道 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 堀  啓二 非常勤講師
 今村 創平 非常勤講師
 粕谷 淳司 非常勤講師
 冨永 祥子 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 横田 泰子 特任助教
 金箱 温春 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 下田 明宏 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  この建築都市デザインIIでは、都市的な文脈の中におかれた対象地区を自分なりに読みとり、その中で「都市生活を楽しむ」ための快適な空間づくりをテーマとして、多様な視点から設計課題を進めていく。3年後期の課題であるので、自らが問題意識を持ち、それまでに身につけた様々な知識をフルに活用することが求められる。
 具体的な達成目標としては、主に下記の点があげられる。
 ○都市の文脈を読みとり、場所のもつ力・資源、問題点などを正しく把握する。
 ○読みとった文脈に応じて、適切な条件設定や空間の提案ができる。
 ○それまで身につけた知識の応用・展開、様々な情報収集を通して、ひとつの設計提案をまとめることができる。
 
<授業計画及び準備学習>
  9月の授業スタート時点に、各自の興味の対象をできるだけ尊重してスタジオに分け(建築デザインスタジオ、都市デザインスタジオ)、スタジオ毎に第1課題と第2課題の比重を変えて、それぞれのスタジオの特性に応じて、課題への取り組みをより深められるように課題を設定する。
 ◇第1課題;「まちを知り、将来イメージを示す」
 (地区分析・文脈の読解・将来像/企画アイデア提案)
 (前半は進行:全体/作業:グループ、後半は進行:スタジオ毎/提出:グループまたは個人)
 取り上げる対象地区を、現場に行って調査し、さらに資料・文献等も調査して分析していくことは、都市デザインの基本である。具体的な課題対象地区を用いて、その基本的なプロセス・方法を体験しながら考えていく。現地調査、資料・文献レビュー、グループ・ディスカッションの結果から、現状を分析・評価して、さらにそれをもとに対象地区の将来像を描くのが、この第1課題のテーマである。
 各スタジオの到達目標はおおむね以下の通りである。
 建築デザインスタジオ:第2課題対象敷地の発見、地区内での位置づけ、設計のヒントとなる地区の文脈や空間要素の抽出
 都市デザインスタジオ:第2課題対象範囲での資源の発見、地区の将来イメージ提案やまちを楽しく元気に魅力的にする企画アイデアの提案(いわゆるハードもソフトもあり得るが、第2課題では建築プロジェクトの提案をしてもらうので、その点を十分に意識)
 
 なお、概ね4〜5人のグループで一連の作業を進める予定である。ただ単に作業を分割して担当しそれを合わせるだけでは良い成果は得られないので、グループ内で活発な議論をし、共同作業を通して提案をまとめていくことが要求される。
 
 ◇第2課題;「将来イメージ・アイデアを空間化する」(スタジオ・ワーク)
 (進行:スタジオ/提出:個人)
 スタジオに分かれて、それぞれのスタジオの担当教員と議論しながら課題を具体的に設定し、指導を受けながら進めていく。それぞれのスタジオでは、第1課題の対象地区で課題を設定し、この授業全体でひとつの地区の将来像を考え、空間化していく。共通の地区でそれぞれの視点からまちについて考え、適宜情報交換を行うことによって、効率よくまちへの理解を深めて行くことを意図している。
 スタジオ相互の理解を図る上で、講評やレクチャーなど、途中段階に全体で実施するパートを設ける。
 
 ◆授業スケジュール
 
 □建築スタジオ
 1.全体説明・第1課題説明、現地調査
 2.現地調査のまとめのためのグループ・ディスカッション
 3.敷地の確定・地区内での位置づけ、設計のためのプログラムのエスキス
 4.第1課題プレゼンテーション・講評、第2課題出題
 5.エスキス1
 6.エスキス2
 7.エスキス3
 8.エスキス4
 9.中間提出用プレゼンテーションの準備
 10.中間プレゼンテーション・講評
 11.中間提出作品へのフィードバック
 12.エスキス5
 13.最終提出用プレゼンテーションの準備
 14.最終プレゼンテーション・講評
 15.最終提出作品へのフィードバック、作品のブラッシュアップ
 
 □都市スタジオ
 1.全体説明・第1課題説明、現地調査
 2.現地調査のまとめのためのグループ・ディスカッション
 3.調査・分析のまとめ、将来ビジョン・企画アイデアディスカッション
 4.将来ビジョン・企画アイデアの具体化、リーディングプロジェクトの提案・エスキス
 5.第1課題プレゼンテーション準備
 6.第1課題プレゼンテーション・講評、第2課題出題
 7.プロジェクトの設定、プログラム具体化
 8.エスキス1
 9.中間提出用プレゼンテーションの準備・エスキス2
 10.中間プレゼンテーション・講評
 11.中間提出作品へのフィードバック・エスキス3
 12.エスキス4
 13.最終提出用プレゼンテーションの準備・エスキス4
 14.最終プレゼンテーション・講評
 15.最終提出作品へのフィードバック、作品のブラッシュアップ
 
 ※毎回、次までにやってくるべき内容を指示する。それをこなし、さらに自ら考え、グループで議論し、大いに先に進めて来て欲しい。それがこの授業の「準備学習」となる。
 
<成績評価方法及び水準>
  提出された作品の評価(アイデア、完成度、時間のかけ方)が大きなウエイトを占める。これは最後の作品のみではなく、中間提出時の作品も含む。こうした作品の完成度を高めるためには、普段から着実に作業をしていくことが不可欠であり、その意味から平素の出席状況や参加意欲など(エスキスへの取り組み)も評価の対象とする。
 
<教科書>
  「まちづくりデザインのプロセス」日本建築学会/丸善特に第1課題ではこれに沿って進めるので、開講時に必ず用意しておくこと。
 
<参考書>
  特に指定しない。必要な文献・資料は、授業中に配布または紹介する。また、自ら事例研究をする姿勢が重要である。参考書は図書館や設計準備室にたくさん備えられている。
<オフィスアワー>
  授業実施時間帯の前後各30分程度、設計準備室(0961室)にて対応する。
<学生へのメッセージ>
  この科目は、他の設計演習科目と同様、これひとつが独立したものではなく、様々な講義科目で得た知識をフルに生かして、これまでの勉学の集大成をするものである。また、特にこの科目は、3年後期科目ということからも、与えられらた課題を単にこなすだけではなく、自ら課題設定し、自ら様々な学習をしなければ良い提案ができないような課題であるので、受け身で参加しても得るものは小さい。積極的な学習姿勢を持って臨んでほしい。毎週、成果を持って来て授業に臨むのが基本であるが、まとめられない悩みもぶつけて整理していかなければ課題は捗らない。多くの教員が対応するので、是非、毎回何らかのものを我々にぶつけてほしい。
 
   
 
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