2012年度工学院大学 第1部情報通信工学科

コンピュータビジョン(Computer Vision)[4D25]

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2単位
西田 健次 非常勤講師

最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
コンピュータビジョンに関する研究は広範囲にわたっているため、授業では網羅することができない。そこで、本授業では「2次元画像列からの3次元立体形状の復元」及び「パターン認識」というテーマの基本的な事柄について解説する。また、必要に応じて、他のテーマについての解説も行う予定である。

達成目標は以下の6点とする。

(1) 奥行のある被写体全体にピントを合わせる手法と原理について説明できること
(2) 射影幾何学の初歩的な事柄について理解し、基本的な定理を証明できること
(3) ピンホールカメラを数学的に記述でき、それに基づいて簡単な図形の像を計算できること
(4) ステレオ写真の原理について理解し、実際に撮影できること
(5) 2次元データの直線回帰を理解し、実際に計算できること
(6) 主成分分析を理解し、実際に計算できること

<授業計画及び準備学習>
第1週 コンピュータビジョンとは何かを説明し、「画像列からの3次元情報の復元」、「パタン認識」というテーマのコンピュータビジョンにおける位置付けについて説明する。(準備学習:コンピュータビジョンという言葉について予め調べておくこと)

第2週〜第3週 射影幾何学の基本的事項について説明する。(準備学習:高校で学習した座標幾何全般)

第4週〜第7週 コンピュータビジョンにおいて通常用いられているカメラの構造及び理想的なカメラとしてのピンホールカメラの原理について概説し、ピンホールカメラの幾何学、ステレオ画像の原理、透視射影カメラのエピポーラ幾何学について説明する。(準備学習:線型代数における逆行列の計算を含む行列演算全般、3次元ベクトルの外積、固有値と固有ベクトル)

第8週 基底展開法による最小2乗回帰(準備学習:偏微分、期待値、分散、共分散、射影行列、グラム=シュミットの直交化法)

第9週〜第10週 主成分分析(準備学習:点と直線の距離、射影行列、正値対称行列、固有値、固有ベクトル、2次曲線の標準化、相似変換、期待値、分散、共分散、偏微分、ラグランジュの未定乗数法)

第11週〜第12週 線型判別分析(準備学習:射影行列、正値対称行列、固有値、固有ベクトル、期待値、分散、共分散)

第13週 部分空間法(準備学習:射影行列、スペクトル分解、期待値、分散)

第14週 大津の2値化(準備学習:特異値分解、偏微分、期待値、分散)

<成績評価方法及び水準>
達成目標に準ずるレポートによって評価し、60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
特になし

<参考書>
佐藤淳、コンピュータビジョン、コロナ社、1999。

Hartley and Zisserman, Multiple view geometry 2nd edition, Cambridge, 2003.

ビショップ、パターン認識と機械学習(上)(下)、シュプリンガージャパン、2007。

<オフィスアワー>
質問等は、授業開始前、終了後に兼任講師室にてうけつける。

<学生へのメッセージ>
対称行列、直交行列、射影行列、3次元ベクトルの外積、3次正方行列の行列式と逆行列、固有値、固有ベクトルなどの線型代数の基本的な事柄や偏微分については改めて説明することはないので十分に復習しておくこと。

<備考>
担当者及び上記内容については変更の可能性あり。詳細は当日説明する。

 

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