2012年度工学院大学 第1部情報通信工学科

物理学I(Physics I)[2505]

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2単位
加藤  潔 教授  
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最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
自然界は一見,複雑・難解であるが,実際にはいくつかの基本原理により支配されている。
本講義では,Newtonの運動法則,エネルギー・運動量の保存など基本的な法則性を紹介し,質点,質点系,剛体の運動の記述について解説していく。
このクラスは再履修クラスであるので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを補強するように配慮した進行となる。講義の最後に課題を出し解答を提出してもらう。
以下に具体的な到達目標を示す。
0. 数学的記述と物理学的記述の対応関係を理解する。
1. Newtonの運動法則,エネルギー保存則などの物理学の基本法則を習得する。
2. 基本法則を具体的な系へ適用し,その系の挙動を分析・理解する。

<授業計画及び準備学習>
1. 序論:数学的,物理学的次元を説明し,SI単位系と次元解析について学ぶ。
2. 物理学の中の微積分:座標,速度,加速度を基に,数学で学んだ微積分の知識を物理学的にとらえる。
3. ニュートン力学の概要:力の概念を説明し,ニュートン力学の基本法則を解説していく。
4. 運動方程式を使った運動の記述1:ニュートン力学の基本法則を基に,放物運動などを例に取りながら自然現象の定式化を学ぶ。
5. 運動方程式を使った運動の記述2:振動の様子を例に,運動の記述を学ぶ。
6. 慣性系と非慣性系:回転運動を例に慣性系と非慣性系について座標系を学び,慣性力について解説をしていく。
7. 中間試験
8. 仕事:工科系科目の基本概念である仕事の概念を解説する。
9. 力学的エネルギー:仕事と力学的エネルギーの関係を解説し,力学的エネルギー保存を示す。
10. 保存量の理解:エネルギーの保存に始まり,運動量,角運動量の保存など自然界を支配する「保存」の考え方を解説する。
11. 相互作用としての重力:重力を万有引力の一面としてとらえ,自然界の力を相互作用として考察する。また,万有引力の例として,天体運動について考察していく。
12. 重心の計算:積分を使った,重心の計算を解説する.
13. 剛体の運動と力のつりあい:広がりのある物体の運動を運動方程式に加えて,力のモーメントを含めて考察する。
14. 力学の総復習
15. 期末試験

<成績評価方法及び水準>
中間試験,定期試験と講義中に行う課題の結果で評価する。100点満点とし,60点以上で合格とする。

<教科書>
新たな指定はしないので,以前に履修したクラスで使用したテキストを持参すること。

<参考書>
*「理工系 物理学講義(改訂版)」加藤潔著(培風館)理工系学生向けの標準的な物理学入門書である。基本から応用まで広く記載されているので,この1冊の内容を理解できていれば,それで十分であるといえる。本講義は,教科書を指定しないが,基本的にこの本と次の演習本の内容(レベル)を前提に進めていく。
*「物理学演習テキスト」 (学術図書出版) 「理解はしているのだが,問題が解けない」とか「試験だけだめなんだ」といった学生もいるかと思う。一概には言えないが,基礎的な内容を把握していながらそれを発揮できないのは,練習不足な場合に多々見られる。そういった意味では,演習のテキストによる訓練は有用であると考える。もちろん,ほかの演習テキストでもよい。大切なことは,それを半期通して続けることである。
*「裳華房フィジックスライブラリー・シリーズ」(裳華房)初学者には難しい内容も含まれているが,このシリーズには一度物理学を学んできた学生には非常に有用な書籍が多い。特に物理数学IおよびIIは,電気系学科が学ぶべき数学の内容を詳しく解説している点から,一度目を通すことを勧める。また,座標系の解説には「解析力学」などがよいであろう。この本については,特にデバイス関連に進もうと思っている学生にとっての必修分野である量子力学を学ぶ際にも役に立つはずである。
*「なっとくシリーズ」(講談社)「0からやり直したい」という学生向けの書籍は多々あるが,少なくともそれらの書籍だけでは「単位を取る」レベルまではいけないことは理解しておいてほしい。とはいえ,本当に自信がないとすれば,例えばここであげた「なっとくシリーズ」などを使って,まず「物理学」や「数学」に慣れることも大切である。

<オフィスアワー>
火曜日4時限,八王子 1-206

<学生へのメッセージ>
質問は歓迎する。ただし,必ず居室にいるとは限らないので,E-mailを利用し,事前にアポイントメントを取ることを勧める(ft82039[at]ns.kogakuin.ac.jp)。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/

 

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