2012年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

無機物質合成化学(Synthetic Chemistry of Inorganic Materials)[4E21]

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2単位
木野村 暢一 非常勤講師

最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
各方面で使われているセラミックスのような材料は、板、線、複雑形状体などその機能を発揮するのに最適の形状をもって製造される。それらに用いられる素材も、最初からそのことを考えて製造される。本講義では微粒子、薄膜、単結晶をとりあげて、それぞれの製法と性質を学習する。実際に注文された無機材料の合成法について大まかなプロセスを設計でき、その長所と短所を述べられるようになることを本講義の目標とする。とくに「考える」習慣をつけたい。

<授業計画及び準備学習>
1. 無機材料と環境(無機材料のLCAについて考える)
準備学習:材料とは何か、無機材料はどう環境問題に寄与できるか、考えておくこと
2.無機材料概論(身近な生活品にどのように使われているか)
準備学習:セラミックスとは何か理解しておくこと
3. 微粒子・粉体とは(粉体の分類、Build up法とBreak down法)
準備学習:表面エネルギーについて理解しておくこと
4.セラミックス原料の合成(合成法の比較)
準備学習: 化学反応について理解しておくこと
5.微粒子の合成(凝縮プロセス、過飽和、臨界核)
準備学習:相平衡について理解しておくこと
6.気相法(過飽和とKp、スモーク粒子、捕集)
準備学習:気体分子の運動について理解しておくこと
7.液相法(溶媒除去法、噴霧乾燥法、液相沈澱法)
準備学習:平衡常数、溶解度積について理解しておくこと
8.液相法(共沈、均一沈殿、エマルション)
準備学習:加水分解反応について理解しておくこと
9.液相法(ゾル-ゲル法(アルコキシド)、水熱法)
準備学習:前回の内容について理解しておくこと
10.固相法による合成(熱分解、固体―気体反応、トポタキシー)
準備学習:結晶構造について理解しておくこと
11.固相法による合成(固体―固体反応、拡散、ヤンダーの式)
準備学習:結晶構造について理解しておくこと
12.粉砕法による合成(メカノケミカル効果)
準備学習:表面、表面エネルギーについて理解しておくこと
13.成膜原理(過飽和、吸着、脱離、核生成、膜生成機構)
準備学習:相平衡について理解しておくこと
14.成膜法各論(蒸着法、スパッタリング、CVD、PVD、ゾル-ゲル法)
準備学習:プラズマ状態とは何か理解しておくこと
15. 学習成果の確認(試験)
準備学習:前回までの総復習を行う

<成績評価方法及び水準>
定期試験の成績を中心に、授業中に課す演習課題に対して提出された回答結果を10%程度加味して評価し、60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
プリントを配布する。

<参考書>
「工学のための物理化学」永井,片山,大倉,梅村 著(サイエンス社)

<オフィスアワー>
木曜日 17:50〜18:50

<学生へのメッセージ>
合成法は多岐に渡っているが、その基礎となる考え方にはほとんど変わりないので、原理と考え方を学ぶ。「考えること」を中心とする。

 

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