2012年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

物理学I(Physics I)[3106]

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2単位
進藤 哲央 准教授  
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最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
物理学Iでは,力学とよばれる分野を中心に学習する.力学とは,運動の法則を体系化したものであり,多くの理系科目の基礎となる分野である.特に,化学系の専門科目を学ぶ際に,力学で登場する概念や用語を正しく理解しておくことが不可欠となる.

この講義では、力学を題材に、以下のようなものごとのとらえ方や考え方の習得を目的としたい。
1) 力学の学習を通して,物理的・科学的なものの考え方を身につける.
2) 物理量,物理的次元,単位といった概念を理解する.
3) 力学の基本法則の意味について理解する.また,力学で使われる用語の意味についても正しく理解する.
4) エネルギーの概念とその保存則について学ぶ.エネルギー以外の保存則についても学習する.
5) 微分や積分といった数学的手法を,道具として使いこなせるようにする.

<授業計画及び準備学習>
1. 講義内容のガイダンス,物理学とは
準備学習: 1回目に関しては特に準備は必要ない。
2回目以降の準備学習に関しては、講義の中でその都度指示するが、基本的にテキストや参考書の該当する箇所を読んで、その部分の何が分からないかを明確にしておくこと。
2.物理量,単位,次元
3. 物理学を楽しむための数学的準備 I (ベクトルについて)
4. 物理学を楽しむための数学的準備 II (微分積分について)
5. 物理学を楽しむための数学的準備 III (微分積分とその利用方法)
6. 質点の力学、運動の3法則,運動方程式の意味
7. 衝突運動と運動量保存則
8. 運動の例 I (重力による運動)
9. 運動の例 II (抵抗力のある運動)
10. 仕事とエネルギー
11. 振動現象 (自由振動,減衰振動)
12. 仕事と運動エネルギー
13. ポテンシャルについて
14. 角運動量
15. 学習成果の確認 (試験)

<成績評価方法及び水準>
最終評価は,まず定期試験を100点満点で採点し,その結果に基いて成績評価を行い,60点をもって合格点とする.
定期試験の結果が60点未満の者に限り,定期試験およびレポートをあわせて100点満点で評価しなおし,その結果がが60点を超える場合には,最終評点60点を与え,合格とする.

<教科書>
特に指定はしない.書店や図書館で,力学の教科書をぱらぱらと眺めてみて,自分にあうものを選ぶのがよい.
一冊の教科書をじっくりと学習することをおすすめする.
授業内容に関しては,キューポートを通じて配布する資料に沿って行うので,事前に各自ダウンロードして授業に備えておくこと.

<参考書>
教科書選びの参考として,いくつかの本をリストしておく.
『理工系物理学講義』加藤潔(培風館)力学だけでなく,物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられた教科書.
『一般物理学 上・下』太田信義 (パリティ物理学コース) 上記の本と同じく,物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられています.
『新・物理学入門』山本義隆 (駿台文庫) 大学入試の参考書ですが,物理学Iでやる内容については充分な内容があります.
『物理入門コース 力学』戸田 盛和 (岩波書店) きわめて標準的な力学の教科書,
『力学の考え方』砂川重信 (岩波書店) これも標準的な力学の内容をあつかっている教科書
『力学 高校生・大学生のために』江沢洋 (日本評論社) 非常に丁寧に書かれた力学の教科書
以下は講義内容とは直接関係ありませんが,おすすめの本をいくつか挙げておく.
『数学ガール』結城浩 (ソフトバンククリエイティブ) 数学の楽しさが詰まった本.数学アレルギーの人におすすめ.
『高校で教わりたかった物理』田口善弘 (日本評論社) 物理っぽいものの見方について書かれた本.
『サはサイエンスのサ』鹿野司 (早川書房) 科学の色々な話題が面白く紹介されています.
『科学と神秘のあいだ』菊池誠 (筑摩書房) 科学的考え方に関するエッセイ.

<オフィスアワー>
火曜日 15:00-16:30
水曜日 13:00-14:30
八王子キャンパス1号館206号室

<学生へのメッセージ>
高校物理の知識は前提としません,高校数学の知識は必須です.高校で学習した数学(特に関数,微分積分等)に自信がない場合は,しっかり復習しておいてください.
授業中の講義内容に関する質問は大いに歓迎します.
オフィスアワーを設けているので,授業に関する質問等に利用してください.
オフィスアワー以外でも,質問がある場合には,電子メールを利用して質問してください.月木金は基本的に新宿キャンパスにいます.通学路等の関係で,新宿のほうが質問するのに都合がよい場合も,あらかじめ電子メール等で連絡した上で,質問等に訪れてください.
受講者の層が広いため,退屈に感じたり難しく感じたりする人が出てくるかと思いますが,そういう場合は特にオフィスアワーや電子メールを利用してコンタクトをとることをおすすめします.
力学に限らず,理系の学問では,自分で手を動かして問題を解いたり,教科書に載っている式を自分で変形して,公式を導出したりすることが,内容の理解を助ける重要な要素になります.講義時間は限られているため,講義のみでは,これら基礎訓練のための時間が十分にとれません.これらを補うために,上に挙げた参考書等にのっている問題を自分で考えて解く等,自習することが大切です.
授業時間だけで,全てを理解することは不可能であると思っておいてください.

 

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