| 2012年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科
 
 △哲学の現在(Problems of Philosophy)[1404] 2単位
 真達 大輔 非常勤講師
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
   「心とは何か」という古くて新しい問題について考える。大筋では、心と身体についての議論をめぐってデカルト主義を批判し、その代案を提示していく。ただ授業は必ずしも絶対的な「正解」を与えることを目指すものではなく、様々な議論を取り上げることで、自分自身で考えるための材料を提供する。そのため、曖昧なまま安定している常識が破壊され、わかっていると思っていたことがかえってわからなくなることもありうるが、そのような混乱を通して各自の考え方をより豊かにしてもらいたい。
 また授業のほぼ毎回にわたり手短ながら意見を書いてもらうので、多少なりとも文章力の向上と、考える習慣の習得も期待したい。
 
<授業計画及び準備学習>
  第1回  イントロダクション第2回  デカルト主義的二元論(1)〜心と体という区別
 第3回  デカルト主義的二元論(2)〜その問題点:心が身体を動かすことの不思議さ
 第4回  心は脳の活動の副産物にすぎないか?
 第5回  「心と脳は同一である」という考え方
 第6回  機能主義(1)〜犬の心、宇宙人の心、ロボットの心
 第7回  機能主義(2)〜人間とコンピューター
 第8回  クオリア(1)〜脳のことをいくら調べても心のことはわからない?
 第9回  クオリア(2)〜「友人は緑色の夕日を見ているかもしれない」という疑い
 第10回  フレーム問題(1)〜「コンピューターには何ができないか」
 第11回  フレーム問題(2)〜「常識」をプログラムすることはできるか?
 第12回  知識と技能〜知っていることと、できること
 第13回  自由意志と決定論〜スピノザ
 第14回  まとめ
 第15回  学習成果の確認(試験)
 
<成績評価方法及び水準>
  授業の最終回で論述試験を行い、60点以上を合格として単位を認定する。
<教科書>
  特に指定しない。授業の中で資料を配布する。資料は多いので、紛失しないよう整理して保管すること。
 
<参考書>
  必要に応じて、授業の中で紹介する。
<オフィスアワー>
   授業終了後に教室または講師室にて。気軽に声をかけて下さい。なお、授業中でも質問等は多いに歓迎します。一人一人の疑問・感想を教室全体に投げかけることは、お互いの理解を深めることにもなります。
 
<学生へのメッセージ>
   哲学は必ずしもわかりやすい学問ではないかもしれませんが、根源的なテーマについて一つ一つじっくり考えていく知的快楽があります。皆さんと「哲学」する楽しさを共有したいと思いますので、哲学に関して予備知識のある人も、ない人も積極的な参加を期待します。
   
 
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