| 2012年度工学院大学 第1部応用化学科
 
 免疫化学(Immunochemistry)[4D21] 2単位
 水島 純子 特任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  免疫系は、身体を外敵から守るための最も大切な防御機構で、細菌、ウイルスなどの病原体を異物として認識し、これを壊し排除する。風邪、SARS,エイズなどの感染症ばかりでなく、臓器移植、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎、がん、などにおける問題点を正しく把握するためには免疫系に関する理解が不可欠で、その基礎を学習する。一方、免疫系の働きによって作られる抗体はきわめて特異性の高い分析用の試薬としても有用で、広く用いられている。これらのことをふまえて、抗体産生のしくみを中心に免疫系について概説する。達成目標:(1)液性免疫と細胞性免疫の違いと関連を理解すること。(2)抗体の構造について理解し、多様性、特異性が生じるしくみについて理解すること。(3) クローン選択説について理解すること。
 
<授業計画及び準備学習>
  1.免疫とはなにか−自らを護るからだのしくみ2.液性免疫と細胞性免疫との違い
 3.液性免疫とはなにか−抗体とはなにか
 4.抗体の種類と構造
 5.抗体の機能−特異性と多様性について
 6.花粉症などのアレルギーはどうして起こるのか
 7.抗体遺伝子と抗体の生合成−抗体の多様性を生み出す精緻なメカニズム
 8.クローン選択説とは何か
 9.自己と非自己−外来進入物を見分ける方法
 10.抗体を用いる分析−バイオ研究は抗体ぬきには語れない
 11.臓器移植で拒絶反応が起こる仕組み−−万能細胞、再生医療とは何か
 12.細胞性免疫とその役割
 13.液性免疫と細胞性免疫との関連
 14.まとめ
 15.学習成果の確認(試験)
 
<成績評価方法及び水準>
  定期試験で最終成績を評価、60点以上のものに単位を認める。試験の際には自筆ノートおよび配布資料の持ち込み可。(ノートのコピーと参考書は持ち込み不可) 
<教科書>
  講義資料を配付する
<参考書>
  「コア免疫学ーー免疫システムを解き明かす」藤原道夫 著
 丸善株式会社
 
<オフィスアワー>
  授業前後 E-mail:bt40488@ns.kogakuin.ac.jp
 
<学生へのメッセージ>
  花粉症、アトピー性皮膚炎など身近な話題をとりあげ、わかりやすい授業を展開します。皆さんも、授業で学んだことについて、自分なりの問題意識をもってさらに深く勉強してみてください。今話題の万能細胞(iPS細胞)についてもとりあげ、この研究を推し進めることで何が変わるのか、について考えていきます。 
   
 
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