2012年度工学院大学 第1部応用化学科

化学(Chemistry)[4109]

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2単位
佐藤 光史 教授  
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最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
工学部化学系大学1年生として必要な化学の基礎知識を確認し、専門科目への速やかな導入をねらいとする。入学時の到達度差に配慮して、高校化学程度の基本的な事項からはじめるが、最終的にはより理論的で厳密な内容も取り扱う。また、講義を通して人間生活や社会生活における化学の成果や環境問題に対する化学の役割などを知り、化学の視点から自らの専門分野を見直すことが目標である。
以下に具体的な達成目標を示す。
1)原子の構造を理解し、そこから化学結合の本質を説明できるようになる。
2)化学反応に関する基本的な化学計算ができるようになる。
3)ミクロな物質の視点とマクロな現象を結ぶ化学平衡の概念を理解する。
4)酸と塩基の定義とそれらの反応について理解する。
5)酸化還元反応の本質とその電気化学との関連について理解する。

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
授業を理解するためには、高校化学I程度の内容を身につけておくことが望ましい。高校化学の未履修者や、到達度が低い場合は、学習支援センターの基礎講座と個別指導を最大限利用すること。本科目を修得することで、より高度な化学系各学科の専門科目を履修する準備ができたことになる。

<授業計画及び準備学習>
第1週:授業計画の説明、単位と数値の扱い、物質の分類
第2週:原子の構造とスペクトル
第3週:量子数と電子の軌道
第4週:電子配置と周期律、電気陰性度
第5週:化学式と反応式、無機物質の反応
第6週:酸・塩基とその強弱、中和反応、加水分解とpH
第7週:酸化還元反応と電池
第8週:化学反応と熱収支、結合エネルギー
第9週:化学平衡(酸・塩基の反応と酸化還元電位を含む)
第10週:化学結合と物質の状態
第11週:結晶といろいろな材料
第12週:気体の法則と状態方程式
第13週:溶液と溶解度、束一的性質
第14週:環境問題と化学
第15週:学習成果の確認(試験)
<準備学習>
各回の課題を用いて、予習・復習を行うこと。各時間に提示される課題は、前回の復習を含むので、到達度を確認できる。新たな課題による予習に取りかかる前に、到達度に応じて複数回の復習を行い、確実な実力を身に付ける。

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験(100点)で評価し、60点以上を合格とする。59点以下の場合、基礎化学演習受講者については、その評価が合格点の者に限り、課題で再評価する。

<教科書>
講義の際に配布する資料と演習問題集を用いる。新刊本を紹介し、教科書とする予定である。

<参考書>
「基礎化学」化学教科書研究会編 化学同人
「第4版 化学−物質・エネルギー・環境」浅野努・荒川剛・菊川清著 学術図書出版社
以上の二編は、化学系大学生が1年生のうちにマスターすべき内容がコンパクトにまとめられている。高校で化学IIまでマスターした学生の参考書としてはこちらを薦める。

「化学 基本の考え方を中心に」A. Sherman, S. Sherman and L. Russikoff著 石倉洋子・石倉久之訳 東京化学同人
「実感する化学(上下)」A Project of the American Chemical Society 廣瀬千秋訳 エヌ・ティー・エス
以上の二編は、アメリカの教養課程向け化学教科書の和訳である。国際的には、これらの本にある化学知識が「社会人」の常識であると考えてよい。大量の易しい演習問題に答えながら基礎知識を固めていくスタイルなので、高校化学に自信のない学生に一読を薦める。
その他の参考書は講義の際に紹介する。

<オフィスアワー>
木曜日、金曜日の2時限帯。他、研究室在室中(八王子12号館305号室)は、質問や相談を歓迎するが、E-mailで来室を事前に連絡すること(ft10302@ns.kogakuin.ac.jp)。

<学生へのメッセージ>
大学で学ぶ化学は暗記ものではありません。基本的な事柄をしっかり理解し、あらゆる場面で応用が利くようにすることが大事です。進度が速いので最初は戸惑うかもしれませんが、授業でわからないところは、質問したり参考書を読んだりすることですぐに解決してください。基礎的なところの実力を高めるには、学習支援センターの利用も効果的です。「わからないこと、知らないことは悪いことではない。わからないことをそのままにしておくから恥なのだ。」

<備考>
授業内容を統一するため、担当教員間で協議し上記のシラバスを調整することがある。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwf1017/

 

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