2012年度工学院大学 第1部応用化学科

世界の社会思想(Social Ideas in the Western World)[1413]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
木下 ちがや 非常勤講師

最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
前期の授業では、「二つの核の世界史」を扱っていく。「二つの核」とは核兵器と原子力発電である。
昨年3月の、福島における人類史上最悪の原子力災害はいまだ収束をみていないものの、「事故がいかにして起こったのか」については少しずつ明らかになってきている。だが、この災害の経験を広い視野からとらえていくためには「どういう理由で、どういう背景からそれは起こったのか」についての歴史的な考察が必要である。経験科学ではなく、純粋な理論研究からうまれた核技術は、20世紀という時代の二つの側面――豊かな社会であることと、大量殺戮の時代であること――と固く結びついてきた。授業では、この「二つの核」が台頭してくる背景を第一次世界大戦、第二次世界大戦という「総力戦の時代」から説き起こし、米ソ冷戦体制化でそれがどう展開していったのかを論じていく。

<授業計画及び準備学習>
*数回の授業で、関連するドキュメンタリーを鑑賞します。

主に、以下のことをテーマに、授業をおこなっていく。

・総力戦争1−第一次世界大戦
・総力戦争2−第二次世界大戦
・マンハッタン計画と核兵器の登場、そして広島、長崎
・冷戦体制―核軍拡競争
・「平和のための核」−原子力発電の登場
・原子力災害―スリーマイルからチェルノブイリへ
・冷戦の崩壊と、グローバル化のなかでの「二つの核」の展開

毎回レジュメを作成するので、その内容を踏まえて、期末のレポートあるいは試験に臨んでください。

<成績評価方法及び水準>
授業の出席を前提とし、期末に行う試験あるいはレポートで評価する。なお、小テストを行う場合もある。詳細は第一回目の授業にて明示する。

<教科書>
特に指定しないが、授業内容は以下の書籍を中心に論じていく。
ステファニー・クック『原子力−その隠蔽された真実』、2011年、飛鳥新社

<参考書>
授業内で指示する。

<オフィスアワー>
授業終了後

<学生へのメッセージ>
とにかくおおまかにでも歴史的な事実を知ることが大事です。講義で興味をもったら、こういうものを読んだらいいというアドバイスをしますので、聞いてください。 なお、授業中、必要なコミュニケーション以上の私語を行っていると判断した場合には、ただちに退席してもらいます。

 

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