2012年度工学院大学 第1部マテリアル科学科
セラミックス化学II(Chemistry of Ceramics II)[1D72]
2単位 池上 隆康 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 無機化合物は物理的・化学的性質がバラエティーに富んでおり、それらの性質を効果的に活用した無機材料が開発されている。無機化合物の材料特性はその製造履歴に強く依存するという、金属材料やプラスチックス材料にはあまり見られない特徴を有する。これは材料に対する信頼性を損ねている面もあるが、製造プロセスの最適化で従来の常識では考えられないほど優れた材料創製の可能性を秘めていることも意味する。無機化合物の潜在的能力を十分に発揮させる材料製造プロセスの設計には、無機固体化学の知識が必要不可欠である。本講義は、無機材料創製に必要な固体化学に関する基礎学理を習得する目的で行う。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 セラミックス材料合成に必要な基礎化学の概要
第2週 結晶相の制御 第3週 状態図I:状態図は何を表すか。材料の製造にどのように活用するか 第4周 状態図II:どのような状態図があるか 第5週 固体表面I:表面の特異性は何に由来するか 第6週 固体表面II:表面張力で起こる色々な現象 第7週 泥しょうのレオロージー 第8週 格子欠陥I:格子欠陥とは 第9週 格子欠陥II:格子欠陥が関与する物質移動現象 第10週 固相反応 第11週 単結晶育成 第12週 焼結 第13週 緻密焼結体の製造技術 第14週 定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 必要に応じて小テスト等を複数回行う。その合計を40点満点で評価する。期末テストの配点を100点満点で評価し、その60%の点と小テスト等の評価点の合計で評価する。ただし、この評価点よりも期末試験の評価点の方が高い場合は、後者で評価する。60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 応用化学シリーズ「機能性セラミックス化学」掛川一幸他著、朝倉書店
- <参考書>
- 「初級セラミックス学」 曽我直弘著、アグネ
- <オフィスアワー>
- 授業開始前及び終了後,兼任講師室で。
- <学生へのメッセージ>
- 化学系の専門家に要求される基礎的知識の習得が、授業の主な目的である。これまで学んでこられた純学問と見方が若干異なり戸惑うことがあるかとは思うが、社会に出たときの有用性に期待して頑張ってほしい。
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