2012年度工学院大学 第1部機械システム工学科
応用解析学(Applied Analysis)[4D18]
2単位 江澤 潤一 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工学の基礎的な法則は微分方程式で表現される。本講では,偏微分方程式とその解法に必要な数学的手法を学ぶ。講義の大部分は,基本的でしかも広く現れる二階線形微分方程式(双曲型,放物型,楕円型)の初期値問題・境界値問題にあてられる。また,この解法に関連して,直交関数展開やフーリエ級数展開についても学ぶ。なお,実数関数の微分・積分は既知とし,常微分方程式についても初歩的な知識は仮定する。また,本講では解の存在や級数の収束性に関する詳細な議論は行わず,解を求めることや,その物理的意味に主眼を置く。数値解法についても議論しない。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 序論と準備(常微分,偏微分,複素数,等々)(09/13)
2. 常微分方程式の例と解法(09/20) 3. 偏微分方程式の例と分類(09/27) 4. 理解度の確認(小テストと解説)(10/04) 5. ラグランジュ偏微分方程式(10/11) 6. 全微分方程式(10/18) 7. 理解度の確認(小テストと解説)(10/25) 8. 一次元波動方程式の初期値問題・境界値問題 (11/01) 9. 直交関数展開,フーリエ級数展開(11/08) 10. 波動方程式(双曲型)のフーリエ級数による解法 (11/15) 11. 理解度の確認(小テストと解説)(11/22) 12. 熱伝導方程式(放物型)のフーリエ級数による解法(11/29) 13. ラプラス方程式(楕円型)の境界値問題(12/06) 14. 偏微分方程式のまとめ(12/13) 15. 学習成果の確認(定期試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 1)可能な限り頻繁に,それ以前の授業内容を題材に小テストを実施する。小テストの総合点を100点満点で評価し,A点とする。
2)定期試験は,100点満点で評価し,B点とする。 3)最終評価点Fは,F=A*(1-x)+B*xである。xは,X>0.5の範囲で総合的に決める全学生に共通の係数である。Fが60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 講義要旨を配布する。キャンパス・ゼミ「偏微分方程式」馬場敬之,高杉豊(マセマ出版社)
- <参考書>
- 「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也(岩波書店,理工系数学のキーポイント10)
講義の中で必要に応じて指示する。
- <オフィスアワー>
- 木曜日16:40−17:00講師室
- <学生へのメッセージ>
- 1. 自分の手を動かして,数多くの例を計算してみることが重要である。なるべく具体的な応用例を取り上げるので,労を惜しまず勉強すること。
2. 演習の時間がとれないので,ホームワークとして授業でとりあげた問題を再度解き完全に理解すること。 3. 理解にはステップを踏む必要があるため,1,2をきちんと行って,各回の授業内容を体得することが肝要。
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