| 2012年度工学院大学 第1部機械システム工学科
 
 機械製作及加工工程(Mechanical Technology & Working Process)[5257] 2単位
 久保木 功 准教授
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
   各種機械やその部品を高精度かつ低コスト、短納期で製造するためには、設計、材料、加工の良否が重要になる。「ものつくり」の基礎となる主要な材料加工の原理と活用について述べ、機械部品製作における加工法選択の指針とする。材料加工法は切りくずを出すかどうかによって大きく二つに分けられる。本科目では切りくずを出さない鋳造、塑性加工、接合などの非除去加工について講義する。機械部品の最終仕上げには切削・研削・研磨などの除去加工が施される場合も多いが、本加工法はその前段階というべき方法でもあり、また本加工法だけで最終製品として供される場合も多く、機械部品製作法としての応用範囲は大変広い。
 (JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギーデザインプログラム」
 (C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
 (D)創造力の習得:○
 JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(2):◎
 
 (JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:鋳造法、塑性加工、素材製造、溶接/接合、粉末加工、金型、加工機械、工作機械、表面加工
 (前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を習得する前に「機械実習」及び「加工工学概論」を習得しておくことが望ましい。本科目習得後は塑性加工学,接合工学等により,より深く加工法について学ぶことができる他,設計に当たり,どのような加工法にすべきか,加工を容易にするにはどのような設計をしたらよいか等について判断できるほか、製品の使用価値を高める価値分析に役立つ.
 
<授業計画及び準備学習>
  1.[機械製作法で何を学ぶか?]■材料加工法の種類とそれらの特徴 ■材料加工技術の周辺(見の回りの製品の作り方)
 2.[鋳造(1)] ■金属の溶融と凝固 ■鋳物材料(鋳鉄、鋳鋼、鋳物用非鉄合金) ■鋳造欠陥(偏析、気泡、凝固収縮など)
 
 3.[鋳造(2)] ■鋳造の特質と作業の概要 ■溶解方法 ■砂型の構造 ■模型の製作
 
 4.[鋳造(3)] ■鋳型の製作と鋳造法 ■各種鋳造法(シェルモールド、ロストワックス、遠心鋳造、ダイカスト、最近の鋳造法)とその特徴
 
 5.[鋳造(4)] ■鋳造方案 ■鋳物の設計と品質保証
 
 6.[塑性加工(1)] ■塑性力学の基礎 ■変形抵抗と変形能 ■加工温度と加工速度
 
 7.[塑性加工(2)] ■塑性加工の特質と分類 ■塑性加工に用いる潤滑剤と金型
 
 8.[塑性加工(3)] ■塑性加工法各論1 −薄板成形− (せん断、曲げ、深絞り)
 
 9.[塑性加工(4)] ■塑性加工法各論2 −バルク材成形− (鍛造、転造)
 
 10.[塑性加工(5)] ■塑性加工各論3 −素材加工− (圧延、押出し、引抜き)
 
 11.[溶接(1)] ■接合/複合加工の分類とそれぞれの特徴
 
 12.[溶接(2)] ■ガス溶接 ■アーク溶接
 
 13.[溶接(3)] ■抵抗溶接 ■溶接した製品の特徴
 
 14.[粉末冶金] ■粉末冶金法(圧粉成形、射出成形)の製造工程と特徴 ■他工法との比較
 
 15.[まとめ、学習成果の確認]
 
<成績評価方法及び水準>
  課題・レポート20%、期末試験80%として評価し、その60%以上で単位を認める。5回以上の欠席は不可とする。
 
<教科書>
  尾崎龍夫 他著 『機械製作法1-鋳造・変形加工・溶接-』 朝倉書店 
<オフィスアワー>
  金曜日 13:00〜14:00. それ以外でもメール(at13271@ns.kogakuin.ac.jp)で約束の上,対応可。 
<学生へのメッセージ>
  教科書、専用のノートをは必ず携行すること。ビデオ、プロジェクターはメモを取ること。 
<備考>
  教科書で不足のところをビデオ、プロジェクターで補う。随時、演習課題の提出あり。 
   
 
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