2012年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
△塑性加工学(Plastic Working of Metals)[3A03]
2単位 柴田 浩司 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 塑性加工は、金属材料(工業材料の中でとくに使用割合が大きい)の素形材や最終製品部品の製造に欠かすことのできない加工法で、非常に多くの物が塑性加工によってつくられる。この講義では、金属材料の塑性変形、塑性力学および各種塑性加工の基礎知識を習得する。
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:基礎工学・専門工学の習得◎ (JABEEキーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:塑性加工、曲げ、素材製造、弾性と塑性、眞応力と眞ひずみ、転位、降伏条件、トライボロジー、引張・圧縮・せん断応力とひずみ、応力解析(応力状態、応力成分) (前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目の履修前に、機械作成法、金属材料工学を履修しておくことが望ましい。本科目の習得後は、精密加工法を習得することが望ましい。
- <授業計画及び準備学習>
- 準備学習: 講義ごと毎回教科書の該当する箇所を予習してくること
1. はじめに:塑性加工とはなにか?塑性加工のはたらき、素材製造 2. 金属材料の性質1:塑性変形機構(弾性と塑性、眞応力と眞ひずみ、転位) 3. 金属材料の性質2:転位の運動と塑性変形の制御 4. 塑性加工の種類1:せん断加工、曲げ加工、深絞り、張出し成形 5. 塑性加工の種類2:スピニング、引き抜き、押出し、鍛造 6. 塑性加工の種類3:圧延 7. 塑性加工のトライボロジー:摩擦、摩耗、潤滑、工具 8. 学習成果の確認:中間試験 9. 塑性力学の基礎1:物体の変形、変形抵抗、 引張・圧縮・せん断応力とひずみ 10. 塑性力学の基礎2:応力解析(応力状態、応力成分)、モールの応力円 11. 塑性力学の基礎3:応力マトリックス、応力テンソル、応力テンソルの座標変換 12. 塑性力学の基礎4:静水圧、偏差応力、降伏条件 13. 塑性力学の基礎5:材料に蓄えられるエネルギー、応力テンソルの不変量、応力テンソルの固有方程式 14. 塑性力学の基礎6:降伏条件、相当応力と相当ひずみ、応力-ひずみ関係式 15. 学習成果の確認:期末試験
- <成績評価方法及び水準>
- 講義のたびに小テスト、数回レポートを課す。配点割合は、(小テスト+レポート)が30点、(中間テスト+期末テスト)が70点(多少変化することもある)。総合点が60点以上を合格とする。ただし、総合点が60点に近い者のうち希望する者にはレポートを課しレポートの成績が良ければ合格とする。
- <教科書>
- 「基礎塑性加工学(第2版)」 森北出版 川並高雄ら著
- <オフィスアワー>
- 講義前後の30分(講師室)
その他の時間はe-mailで対応:kojishibata@jcn.m-net.ne.jp
- <学生へのメッセージ>
- 「身の回りのものが、どのようにつくられたのか?」を調べてみてください。塑性加工が関係しているものの多さに驚くはずです。それは、塑性加工が「ものづくり」にとって不可欠な加工法だからです。
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