| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
 
 △数値材料力学(Numerical Method in Strength of Materials)[2B01] 2単位
 何  建梅 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  材料力学では一次元の棒、軸やはりなどの応力と変形について学んだが、実際の機械や構造物の強度設計にはもう少し複雑な物体の応力を把握する必要が生じるため、材料力学から一歩進んで、二次元、三次元問題、板などの弾性力学の基礎的な考え方と基礎方程式を学ぶ。この基礎式はエネルギー原理に基づいて考えると理解しやすい。また、このエネルギー原理は近似解を求めるうえでも重要な考え方であり、有限要素法の考えの基本になっている。このような弾性論基礎式、近似解法の入門について学ぶ。<JABEE学習目標>
 「機械工学プログラム」:(D)◎ (F)○
 <JABEEキーワード>
 「機械工学プログラム」:引張・圧縮・せん断応力とひずみ,材料の強度と許容応力、材料の構造と組織、応力解析,多軸応力,塑性構成式,ひずみエネルギーとエネルギー原理
 構造解析
 
<授業計画及び準備学習>
  これまで学んだ材料力学は一次元のものが対象で理論解があった。実際の機械や構造物の強度設計にはもう少し複雑な物体の応力を把握する必要が生じ、コンピュータによる近似解を求める解析が盛んに行われており、三次元CADとともに急速にディジタルエンジニアリングが広まっているため、その原理となっている個体力学の基礎理論と有限要素法を学習するためには、2年次までに学んだ材料力学の知識が必須である。この学習をすると企業に入っても強度設計の即戦力が得られ、複雑な機械の設計にあたって信頼性に関する着想が豊かになる。<授業計画>
 1.二次元弾性理論における応力とひずみ
 二次元における応力とひずみの性質を学ぶ
 2. 二次元弾性理論におけるひずみと変位の関係式
 垂直ひずみ、せん断ひずみは連続な変位から導かれることを説明する
 3. 二次元弾性論における釣り合いの式
 応力を用いた微小部分の釣り合いの式、また境界条件を考える
 4. 適合条件式
 ひずみは連続な変位から導かれ、適合条件式を満たす必要があり、適合条件式の説明をする
 5. 二次元弾性論とエアリの応力関数
 エアリの応力関数を用いた古典的な二次元弾性論を紹介する
 6. 応力の特異点、応力集中
 エアリの応力関数を用いた特異場応力、応力集中の解析法を紹介する
 7. 仮想仕事の原理とエネルギー原理
 力の釣り合いの式、また力の境界条件をエネルギー原理として考える
 8. エネルギー原理と近似解法
 エネルギー原理を考えると近似解法が利用しやすくなることを説明する
 9. エネルギー原理と近似解法
 具体的なRayleigh-Ritz法による近似解法ではりの問題を解いてみる
 10. 有限要素法とは
 近似解法の一種にコンピュータを用いる有限要素法が利用されているが、有限要素法は
 エネルギー原理から導かれることを示す
 11. 一次元有限要素法
 一次元有限要素法の例として棒の引張り、圧縮の問題を考える
 12. 一次元有限要素法
 一次元有限要素法の例としてはりの曲げの問題を考える
 13. 二次元、三次元有限要素法
 二次元、三次元有限要素法の一般的な考え方を学ぶ
 14. 一次方程式の解法
 コンピュータを用いて有限要素法で利用されている大次元の一次方程式の解法を説明する
 15. まとめ
 
<成績評価方法及び水準>
   講義のなかで数回演習問題を行い、答案を提出する。成績はこの演習の結果を少し加味しながらおもに期末の試験結果で評価する。その割合は前者2,後者8の割合で行う
<教科書>
   プリントを毎回配布する
<オフィスアワー>
  随時訪問してもよい。またはメール(at13148@ns.kogakuin.ac.jp)を利用してもよい。
<学生へのメッセージ>
  有限要素法はいま急速に広まっている三次元CADやCAE技術とも関連しているのでよく学んでおくと就職してからも企業で設計の業務に確実に役に立つ技術の基礎になっているもので、よく学んでおくと将来役にたつでしょう。
   
 
| このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。 Copyright(c)2012 Kogakuin University. All Rights Reserved.
 |  |