2012年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
△知的財産権法(Intellectual Property Laws)[1E72]
2単位 中島 淳 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- エンジニアにとって、特許、商標、著作権などの知的財産権に関する法律や知的財産戦略の知識は必要不可欠となっている。
製造、販売、サービスなどのビジネス上で心得るべき知的財産に関する基礎的知識を解説する。 以下に具体的な達成目標を示す。 (1)特許など知的財産権の大まかな枠組みの知識習得 (2)権利化するための人的要件及び客体要件についての考え方と基礎的判断能力の習得 (3)特許庁における審査手順と内容の基礎的知識の習得 (前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目の履修前予備知識は不要。 本科目の履修内容はビジネス上での知的財産実務の基礎として利用できる。 (JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(E)◎、(C) ○ (JABEEキーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:自ら計画・実行に携わった設計や実験などを通じて、多面的視野から機械工学を応用した問題解決法や技術を提案できること。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 特許法の位置付け、特許制度の目的
準備学習:高校以前に学習した歴史上の発明が社会へ果たす役割について自己の考えをまとめておくこと。 第2週 特許権の特徴、日本の知的財産政策 準備学習:法学と工学の差異についての復習と、我が国にとって知的財産の必要性を考えておくこと。 第3週 特許を受けることができる発明(発明の定義、産業上の利用性と新概念) 準備学習:日本にとっての最善の知的財産政策を復習し、発明とは何かについて考えておくこと。 第4週 特許を受けることができる発明(新規性、拡大先願範囲) 準備学習:発明の定義と時代の変遷について復習し、発明と新しさとの関係を考えておくこと。 第5週 特許を受けることができる発明(進歩性、不特許発明) 準備学習:新規性の定義について復習し、新規性以外の特許要件の必要性について考えておくこと。 第6週 特許を受けることができる者と職務発明 準備学習:進歩性の要件と産業の発達との関係を復習し、発明者とは何をした人であるかについて考えておくこと。 第7週 創作と発明手法 準備学習:発明を創作するには何が大切であるかについて復習し、特許庁の審査手順はどうあるべきかを考えておくこと。 第8週 出願手続、審査・審判手続 準備学習:発明手法の手順を身近な問題について適用して復習し、特許審査の手順について考えておくこと。 第9週 特許権、国際特許、特許権の利用活用 準備学習:審査手続きについて復習し、登録後の権利内容について考えておくこと。 第10週 知的財産紛争事例紹介と対応 準備学習:国際的権利取得手法について復習し、権利侵害に対して権利者がどのように対応すべきかを考えておくこと。 第11週 ビジネスの創作と知的財産戦略 準備学習:知的財産紛争事例においての留意点を復習し、企業が知的財産をどのようにビジネス上で利用したらよいかを考えておくこと。 第12週 実用新案制度、意匠制度 準備学習:想定企業の知的財産戦略のあり方について復習し、特許以外の知的財産権について考えておくこと。 第13週 不正競争防止法、他の法律、弁理士制度 準備学習:実用新案及び意匠について特許との違いを復習し、産業財産権以外の権利について考えておくこと。 第14週 商標制度、著作権制度、 準備学習:不正競争防止法と保護手段について復習し、ブランド保護のありかたについて考えておくこと。 第15週 学習成果の確認(レポート課題作成)
- <成績評価方法及び水準>
- 授業中に課すレポート課題への提出内容により評価する。
レポート課題は、発明提案書などの出願書類の作成や、法律的判断に関する内容であり、複数回のレポート提出が必要となる。 各演習の合計点が、60点以上の場合に単位を認める(100点満点)。 授業中のディスカッションにおいて特に優れた意見を述べた場合には加点(最大10点)する場合もある。 出席状況は原則として評価の対象としないが、出席しないと課題演習は対応できない。
- <教科書>
- 指定なし(プリントを授業中に配布する)
- <参考書>
- 指定なし
- <オフィスアワー>
- 授業前及び終了後教室にて
- <学生へのメッセージ>
- 法律解釈が主なので、理系学生には聞きなれない用語が多い。
しかし、知的財産に関する知識は、実社会でのビジネスに直結しており、知的財産立国が標榜されている今日の企業実務では重要な内容である。
- <参考ホームページアドレス>
- 連絡先:j-nakajm@taiyo-nk.co.jp
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