2012年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
△リサイクルシステム工学(Recycle System of Industrial)[1C71]
2単位 小林 潤 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 機械技術者は構造物や機器などの「もの作り」をするばかりでなく、自然環境保全の観点から循環型社会を目指す法体系の整備を基に省資源、省エネ及び材料の再生利用を考慮した設計倫理が強く望まれる。ここでは、今日のリサイクルシステムに関する法規、規格及びそれらの現状について学習し、リサイクル問題を解決するための基礎的且つ具体的知識を修得する。
具体的な達成度目標は: 1)リサイクルの意義について理解する 2)リサイクル手法の技術的・経済的特性を把握する 3)もの作りの機械技術者としての倫理観を養う 4)循環型社会環境を促進する能力を身に付ける 5)LCAシステムを理解し実施する能力を身に付ける
<JABEE学習・教育目標> 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(A)○ (B)○ (D)◎
<JABEEキーワード> 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:資源・環境管理,システムインテグレーション,ライフサイクルアセスメント,市場調査・採算性,社会政策,資源/環境システム,エネルギー効率,循環型社会,廃棄物,3R
<前提となる基礎知識と修得後の展開> 材料および熱力学に関する基本的な知識および現状の世界情勢や経済情勢に関する情報収集はある程度必要である。本科目を修得により、材料,熱力学,プロセス設計,生産,環境,資源・エネルギーなどの分野において、技術的だけでなく,社会的・経済的側面からの視点に基づく評価・分析能力を習得させることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. [ガイダンス]イントロダクション・3R(リデュース,リユース,リサイクル)
準備学習:3R活動の概略について調べておくこと。 2. [リサイクルと資源・環境問題] 資源・環境管理,地下資源の可採年数の減少,エネルギー問題,地球温暖化 準備学習:エネルギー白書,環境白書の該当する項目を読んでおくこと。 3. [リサイクルと法律] 社会政策,国内法,国際条約 準備学習:循環型社会形成推進基本法,リオ宣言,アジェンダ21の概略について調べておくこと。 4. [リサイクル技術1] マテリアルリサイクル,ケミカルリサイクル,サーマルリサイクルの特徴 準備学習:各リサイクル手法の特徴について調べておくこと。 5. [リサイクル技術2] マテリアルリサイクル,ケミカルリサイクル,サーマルリサイクルの特徴 準備学習:各リサイクル手法の特徴について調べておくこと。 6. [リサイクルの高効率化] システムインテグレーション,資源/環境システム,カスケーディング 準備学習:熱力学における効率の定義等について復習しておくこと。 7. 学習成果の確認:グループ討論(リサイクルの意義と動機付け) 準備学習:前回までの総復習を行うこと。 8. [リサイクルの現場] 主に金属・無機材料のリサイクルの実情,収集から再生品化に至るプロセスフロー 準備学習:空き缶のリサイクルや自動車スクラップのリサイクルについて調べておくこと。 9. [リサイクルの現場] 主に有機・生物由来材料のリサイクルの実情,収集から再生品化に至るプロセスフロー 準備学習:ペットボトルのリサイクルや建築系廃木材のリサイクルについて調べておくこと。 10. [廃棄物処理処分とリサイクル] 資源・環境管理,資源/環境システム 準備学習:廃棄物の処理および清掃に関する法律の概略について読んでおくこと。 11. [循環型社会とリサイクルの経済性] 市場調査・採算性,社会政策 準備学習:経済の外部性,需要と供給などについて調べておくこと。 12. [ライフサイクルアセスメント] 概要,歴史 準備学習:LCAの概略について、参考図書などを読んでおくこと。 13. [ライフサイクルアセスメント] 具体的手法,インベントリ分析と産業連関分析 準備学習:LCAの手法について、参考図書などを読んでおくこと。 14. [ライフサイクルアセスメント] ペットボトルリサイクルのLCA評価 準備学習:LCAの講義に関する復習を行うこと。 15. 学習成果の確認(レポート課題作成) 準備学習:前回までの総復習を行うこと。
- <成績評価方法及び水準>
- 随時課す演習・レポート60%、グループ発表・討論40%で評価し、60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 特になし
- <参考書>
- カーボンフットプリント LCA評価手法でつくる、製品別「CO2排出量見える化」のしくみ,稲葉 敦,工業調査会
LCAの実務,稲葉 敦,産業環境管理協会 LCA概論,伊坪 徳宏 他,産業環境管理協会
- <オフィスアワー>
- 月曜日 14:30〜15:00(授業直後)(新宿 A1666 共同研究室)
上記時間外でも随時質問を受け付けます。(八王子 8-203 居室) メールでの質問も可。 メール:at13308@ns.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 「ものづくり」には必ず「廃棄物」がついてきます。この廃棄物をどのように取り扱うのが人類社会および地球環境にとって最適であるのかを考えることが、リサイクルの根本になります。近視眼的ではなく長い目で物事を見ることも大切になりますので、これらを意識して勉強に励んでください。
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