| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
 
 ○流れ学I及演習(Fluid Flow I and Exercise)[6A02] 3単位
 飯田 明由 非常勤講師
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  流体力学の中で最も基本的な水力学について、現象の物理的意味を考えながら学習し、さらに演習問題を解くことにより、流体力学の基礎を身に着ける。以下に具体的な目標を示す。(1)連続の式、ベルヌーイの式を通じて、保存則の意味を理解し、応用問題に適用できるようにする。
 (2)運動量保存則・角運動量保存則を用いて、流体が物体等に及ぼす力について理解する。
 (3)物体周りの流れと流れの抵抗の関係を理解する。
 (4)ポンプや水車などの損失・効率を用いて流体機械の設計手法の基礎を理解する。
 (5)流れの計測方法について具体的な知識を習得する。
 
 (JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎、(F)○
 
 (JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:エネルギー保存則(ベルヌーイの式)(3h)、質量と運動量の保存(3h)、理想流体の力学(1.5h)、層流と乱流(1.5h)、粘性流体の力学(3h)、各種流れの抵抗(3h)、流れの計測(1.5h)
 
 (前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に、「数学I」、「数学II」により微分積分学を、さらに「工業力学及び演習I」、「工業力学及び演習II」により速度と加速度、質点に働く力と運動法則、仕事とエネルギー、動力、運動量と力積に関する項目を習得しておく必要がある。
 本科目の習得後は「流れ学II」に進み、「流体機械」などの応用的な科目を履修することができる。
 
<授業計画及び準備学習>
  1. [ガイダンス] 流体の基本的性質2. [理想流体の力学] 流体の静力学
 3. [エネルギー保存則] 連続の式,ベルヌーイの式の導出
 4. [エネルギー保存則] ベルヌーイの式の応用
 5. [質量と運動量の保存則] 運動量保存則を用いて、物体に作用する流体力を求める
 6. [質量と運動量の保存則] 運動量保存則の応用
 7. [層流と乱流] 粘性流体の性質とレイノルズ数、層流と乱流について学ぶ
 8. [中間試験] 学習成果の確認
 9. [粘性流体の力学] 管内流れ(ハーゲン・ポアズイユの式)を中心に粘性流体の性質を述べる
 10. [粘性流体の力学] ムーディー線図を用いて、管路内の流れと抵抗、管路の設計法について学ぶ
 11. [エネルギー変換] ポンプや流体機械の損失を考慮して、流体機械の性能を評価する
 12. [各種流れの抵抗] 円柱や翼に作用する流体力について説明し、はく離についても解説する
 13. [各種流れの抵抗] 境界層とはく離の関係,層流,乱流について学ぶ
 14. [流体工学の応用・全体のまとめ] タービン・自動車・航空機・風車等の流れを利用した機器について解説する.また流体工学の社会への影響について学ぶ.
 15. [定期試験] 学習成果の確認
 
<成績評価方法及び水準>
  授業の形態は、原則として1時限目講義、2時限目演習とする。演習は試験形式で行なう。成績評価は、演習問題40%、中間試験及び期末試験の平均点を60%とし、60点以上の者に単位を認める。
 
<教科書>
  「基礎から学ぶ流体力学」飯田明由・小川隆申・武井昌宏・著(オーム社)
<参考書>
  「詳解水力学」今木清康著(理工学社)「流体力学(1)」大橋秀雄著(コロナ社)
 「図解流体工学」望月修著(朝倉書店)
 
<オフィスアワー>
  土曜日 13:00〜15:00これ以外の時間帯の質問、及びメールでの質問などは、以下のメールアドレスまで。
 iida@me.tut.ac.jp
 
<学生へのメッセージ>
  具体的な例を示しながら基礎事項をていねいに説明する。演習を通じて理解を深めてほしい。流れ学Iは流体力学の基礎であり、特に保存則について理解していただきたい。
 
<参考ホームページアドレス>
  http://aero.me.tut.ac.jp/
   
 
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