| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
 
 △工業熱力学II(Engineering Thermodynamics II)[3B02] 2単位
 大竹 浩靖 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  2年次の工業熱力学I及演習(主として、理想気体の状態変化)で学習した物質や諸機械の熱的性質や作用の理論を更に進めて学習する。理論的に得られる考えをどのようにして現実に当てはめ、活用していくか、その考え方、方法論を導く。実在気体、特に蒸気の諸性質について理解する。熱から動力を取り出す動力システム(現代社会にとって必須の電気のほとんどはこれによって供給されている。)を構成する元となっているランキンサイクル(二相サイクル)を理解する。蒸気の性質を駆使して、ランキンサイクル発生仕事量や効率計算能力を養う。また、もう一つの実在気体の代表である空気の諸性質について理解する。冷凍機の構成を理解し、空気調和の設計基礎能力を養う。また、更に進んだ工学領域の概観をつかむ。
 (JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(A)○、(D)◎、(F)○
 (JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:状態量と状態変化、質量と運動量の保存、エネルギー保存則、熱力学第二法則、熱移動と温度、状態方程式、気体の流動、エネルギーの形態と変換、二相サイクル、分子気体力学、統計力学、物質伝達、熱機器、動力システム
 (前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に、工業熱力学1及演習により、物質や諸機械の熱的性質や作用の理論を、また工業力学及演習1、2等の科目により仕事とエネルギー、動力、運動量に関する項目を習得しておく必要がある。本科目の修得後は、蒸気工学に進み、蒸気タービンやボイラー等より具体的機器に関する学習に進める。
 
<授業計画及び準備学習>
  1.本講義趣旨説明(ガイダンス)。ガス(理想気体)と蒸気(実在気体)。蒸気動力サイクル。【予習:教科書を用意し、シラバスを確認すること。復習:講義ノートを整理する。】
 2.蒸気の一般的性質。P-v線図、T-s線図、過冷水、湿り蒸気、過熱蒸気、乾き度。
 【以後、予習:適時指示する。復習:講義ノートを整理するとともに、毎講義時間内の演習を確認すること。】
 3.蒸気の熱的状態量と状態変化
 4.蒸気線図(h-s線図)と蒸気表。蒸気の状態変化II。van der Waalsの式。
 5.蒸気サイクル(ランキンサイクルと発生仕事)
 6.蒸気サイクルII(再生サイクル、再熱サイクル)
 7.定常流のエネルギー式とその応用
 8.中間試験
 9.気液二相サイクル(蒸気サイクル)での熱流動問題。二相流動と伝熱。
 10.冷凍機とヒートポンプ(蒸気圧縮冷凍機と吸収冷凍機、冷媒)
 11.空気調和。湿り空気、相対湿度、絶対湿度、比較湿度。湿り空気の熱的状態量。
 12.湿度計、露点温度。湿り空気表、湿り空気線図。
 13.物質伝達。拡散とフィックの法則。熱力学特性の分子、量子的取り扱い。
 14.発電。地球温暖化。原子エネルギー(核分裂と核融合)。
 15.定期試験【予習:総復習。復習:自己採点。】
 
<成績評価方法及び水準>
  原則として定期試験で最終成績を評価し,60点以上の者を合格とします.なお、毎講義時間内に簡単な演習問題も出題します。また、中間試験も行います。最終成績の細かい評価に関して、毎講義時間内の演習および中間試験の結果を一部分参考にします。「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(D)の一部は,上記の評価基準を満たせば,達成されます.
 
<教科書>
  「大学演習工業熱力学」谷下市松編(裳華房)
<参考書>
  「JSMEテキストシリーズ 熱力学」日本機械学会(丸善)「基礎熱力学」谷下市松著(裳華房)
 「基礎工業熱力学」P.B. Whalley著,多田壽雄訳(裳華房)
 「熱力学,統計力学」原島鮮(培風館)
 
<オフィスアワー>
  主として講義後(昼休み中)約1時間。講義後、問合せて下さい。
<学生へのメッセージ>
  工業熱力学I及演習と同様、機械工学における基礎力学の一つです。特に、エコエネルギーコースの学生諸君は、しっかりと身に付けて下さい。
<参考ホームページアドレス>
  http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~at10988/
   
 
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