| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
 
 △内燃機関(Internal Combustion Engines)[1C03] 2単位
 是松 孝治 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  ねらい及び具体的な達成目標> 火花点火機関とディーゼル機関の基本構造と特性を学ぶ。経験的な事実や着想が熱力学,流れ学,燃焼学などで学問的に検証され,技術として体系化されることを学ぶ。熱を動力に変換する機械すなわち「エンジン」の原理を学び、将来それが設計できる機械技術者の育成をめざす。
 (1) 内燃機関の構造とその部品の役割の理解
 (2) エネルギー保存則の理解と内燃機関の燃料消費率の計算法を習熟する
 (3) ガスサイクルと実際の現象との比較から得られる設計技術情報を整理する
 (4)エンジンの吸排気システムにおける気体の流動と燃焼反応の制御。
 (5)耐久性向上のためのエンジントライボロジー。
 (6)エンジンシリンダー壁面の対流熱伝達率と伝熱量の制御。
 である。
 (JABEE学習・教育目標)
 [機械工学エネルギー・デザインプログラム]:(A)○、(D)◎、(F)○
 (JABEEキーワード)
 [機械工学エネルギー・デザインプログラム]:エネルギー保存則、設計法、内燃機関、ガスサイクル、燃焼反応、火炎、気体の流動
 [前提となる基礎知識と習得後の展開]
 「物理学I」、「物理学II」、「化学I」、「化学II」、「流れ学I及演習」、「工業熱力学I及演習」で与えられた知識を持っていることを前提にして講義が計画されている。本科目習得後は、「燃焼工学」、「エンジンシステム」、「ガスタービン」、「自動車工学」、「航空宇宙工学」、「環境制御工学」などの関連科目に展開することで、さらなる理解を深めることができる。また、デザイン能力の開発のために「機械工学設計総合演習」が並行して配置されている。
 
<授業計画及び準備学習>
  1.熱機関の分類(エネルギーの形態と変換),内燃機関の種類と構造,生産動向,内燃機関と社会とのかかわり 準備学習:工業熱力学の復習(熱力学第1法則)
 2.内燃機関の性能表示,エネルギー保存則(熱力学第一法則)に基づく熱効率表示と平均有効圧、燃料消費率、トルク、演習課題1、2(達成目標(1)、(2)に関連)
 3.ガスサイクルと実際のシリンダ内の現象(火花点火機関)、演習課題3(達成目標(3)に関連)
 4.ガスサイクルと実際のシリンダ内の現象(ディーゼル機関)、演習課題4(達成目標(3)に関連)
 5.4ストロークエンジンの吸気システム,吸気システムの評価,
 6.吸気速度係数、慣性効果,脈動効果 演習課題5
 7.学習成果の確認(中間試験)とここまでの復習
 8.ターボ過給システムとその流動解析、1次元非定常圧縮性流れによるエンジンとのマッチンッグ解析 演習課題6
 9.2ストロークエンジンの掃気システム,掃気効率,給気効率
 10.完全分離と完全混合モデル 演習課題7
 11.エンジントライボロジー,潤滑システム,エンジン油,オイルフィルタ
 12.ピストンリングの作用と流体潤滑理論 演習課題8
 13..エンジン冷却システムにおける熱移動,ラジェータ(熱交換器)の特性 演習課題9
 14. 総合演習とまとめ
 15. 学習成果の確認(定期試験)
 
<成績評価方法及び水準>
  講義中に指示する「演習課題」(講義終了後に自力で考えてくる宿題であり、次の講義のはじめに提出する)および授業の途中で行う「演習」を評価に加味する。上記のごとく、この「課題演習」の内容は<授業のねらいと具体的な達成目標>に深く関連しており、単位取得には欠かせない条件になる。総合演習とまとめで、総復習をした後、最終的に、定期試験による評価を行う。すべての演習課題を提出し、定期試験が合格すれば、「機械工学プログラム」の学習.教育目標(A)、(D)、(F)が達成される。演習課題を30点満点,中間試験と定期試験を70点満点として,合計が60点以上であれば合格とする。
 
<教科書>
  「エンジン―熱と流れの工学―」是松孝治、森棟隆昭編著(産業図書) 
<オフィスアワー>
  月曜日と水曜日1712室にいます。質問/雑談歓迎、不在の場合はメモを置いてください。
<学生へのメッセージ>
  内燃機関は人類の数に近い台数が地球上に存在する機械です。ここまで普及した機械を単にブラックボックスとして使うのではなく、内燃機関の原理や現象を知り興味を深め、実力のある技術者として活躍しましょう。
   
 
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