| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科
 
 △機構学(Mechanism of Machinery)[4557] 2単位
 川田 正國 非常勤講師
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  機械装置は、それぞれの用途目的によって構造や動きに特徴がある。機構学では機械の機能設計に重要な機構について調べ、その構成と動作原理や速度解析を中心とする運動学的な基礎を理解することを目的とする。具体的な達成目標は、機構の自由度計算法、機構の速度解析法、運動の伝達・変換および動力の伝達など機械設計において重要な機構の基礎知識を修得することである。
 (JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D◎
 
 (JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:機械設計、メカトロニクス、ロボティクス
 
 (前提となる基礎知識と修得後の展開)
 「数学I・II」(基本関数の微分・積分)、「線形代数学」、「工業力学および演習I・II」(速度・加速度)に関する知識が必要である。本科目を修得することにより機械設計に機構学の知識を役立てることができる。
 
<授業計画及び準備学習>
  (1)機械装置の動き 機械装置に用いられるいろいろな機構について、その基本的な構成と運動の特徴について学ぶ。準備学習:身近にあるものの動きを観察しておくこと。
 (2)対偶と連鎖 対偶の種類と自由度および連鎖とその自由度について学ぶ。
 準備学習:教科書第5講を読み、用語を理解しておくこと。
 (3)剛体の運動 剛体の速度、加速度の求め方について学ぶ。
 準備学習:教科書第5講および第6講を読んでおくこと。
 (4)ロボット機構 ロボットの基本構造と動作、駆動方法やセンサの基礎を学ぶ。
 準備学習:工業用ロボットはどのような分野で使用されているか調べておくこと。
 (5)機構の運動 簡単な機構を対象に、速度や加速度の解析手法を学ぶ。
 準備学習:教科書第7講、第8講を読んでおくこと。
 (6)リンク機構の種類とその特徴 代表的なリンク機構を取り上げ、その特徴と動作原理について学ぶ。
 準備学習:教科書第7講および第8講を復習すること。
 (7)リンク機構の運動 平面機構を取り上げ、解析手法の基礎を学ぶ。
 準備学習:教科書第15講(15.1)を読み、動力学の基礎も理解すること。
 (8)カム機構の種類とその特徴 カムの種類とその特徴を調べ、カムの輪郭曲線とカム線図の描き方を学ぶ。
 準備学習:カムはどのようなところで使われているか調べておくこと。
 (9)カム機構の運動 平面カムを例に、カムの運動に対する従動節の変位、速度および加速度について学ぶ。
 準備学習:カム線図の描き方を理解しておくこと。
 (10)ねじ送り機構 ねじ一般を理解するとともに、ねじ送り機構については単一および二重ねじ機構の特徴と動作原理について学ぶ。
 準備学習:ねじの種類とその用途目的について調べておくこと。
 (11)摩擦伝動および巻掛け伝動装置の基礎 摩擦車やベルト伝動装置による動力伝達の基礎を学ぶ。
 準備学習:実用例を調べておくこと。
 (12)歯車の基礎 歯車による動力伝達およびインボリュート歯車の基礎について学ぶ。
 準備学習:教科書第11講を読み、理解しておくこと。
 (13)歯車製作と歯車装置 歯形創成法、歯車列における速度比計算法および動力伝達用平歯車の設計の要点を学ぶ。
 準備学習:教科書第11講および第12講を読み、基礎を理解しておくこと。
 (14)歯車変速装置の動作原理 遊星歯車装置や差動歯車装置の特徴とその動作原理を学ぶ。
 準備学習:教科書第12講(12.4)および第16講(16.2)を読んでおくこと。
 (15)学習成果の確認(試験)
 準備学習:これまでに学んだことの総復習を行うこと。
 
<成績評価方法及び水準>
  最終回に実施する試験を80点満点、2回実施する中間課題をそれぞれ10点満点で評価し、合計60点以上を合格とする。ただし、3回以上欠席した学生は履修放棄とみなし、成績評価は行わない。「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(D)は、上記の評価基準を満たせば達成される。
 
<教科書>
  機械力学ー機構・運動・力学ー 三浦宏文編著 朝倉書店
<参考書>
  ロボット機構学 鈴森康一著 コロナ社基礎から学ぶ機構学 鈴木健司・森田寿郎著 オーム社
 
<オフィスアワー>
  問い合わせの上、対応可能。masakunikawada@jcom.home.ne.jp
   
 
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