| 2012年度工学院大学 第1部機械工学科
 
 ○機械実験及演習(Basic Experiments on Mechanical Engineering)[2353] 2単位
 小林 潤 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 金野 祥久 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 田中 淳弥 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 大野  隆 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 後藤 芳樹 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 山本 崇史 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 橋本 成広 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
 
<授業のねらい及び具体的な達成目標>
   この授業では、実験を通じて、物事を論理的に考察し、理論に裏付けされた実験手法、技術的な検討が行えるようになることを目標とする。大卒の技術者にとって実験は単なる作業(実験装置を決められた方法で動かすことができるようになることだけが求められているわけではない)ではない。この講義を通じて技術者として要求される論理的な思考と、実験を計画的に遂行するマネージメント能力、レポートを期日までに提出する責任感を養うことを目的とする。テーマごとの具体的目標を次項に示す。
 
<授業計画及び準備学習>
   機械工学の基礎的なテーマについて実験と演習を行う。本科目は下記のテーマを受講する。その間には演習日を設け、レポートの書き方などの個別指導を実施し、コミュニケーション能力や機械工学の知識を実際に反映させる能力を養う。
 (1) ガイダンス,レポートの書き方の解説
 この授業の受講方法について説明する.またレポートの書き方について解説し,課題を与える.
 (2) レポートおよびグラフの書き方演習(担当者全員)
 ダンパー開度を変えて実験した管路内の空気流量のデータを与え、式に則り計算し数値の取り扱いと単位,どのような表示法にすれば相手に伝わり易いか、どのような現象が読み取れるか等々をレポートにつくらせ、その場で指導する。
 なお,本テーマに替えてエンジニアリング・デザインに関連する演習を行う場合がある.詳細はガイダンスで指示する.
 (3) 鋼の組織と機械的性質(大野担当)
 代表的な工業材料である炭素鋼のFe-C平衡状態図と組織との関連を観察し、硬さ測定から組織の性質について理解する。
 (4) 炭素鋼の引張試験(後藤担当)
 材料試験法の一つである引張試験により材料の強度と許容応力の関係を調べる。炭素鋼の真応力と真ひずみ線図を得ることで材料の弾性と塑性を理解する。
 (5) 薄板の硬さと展延性性試験(小林(潤)担当)
 成形加工に関する材料試験法を通して薄板材の性質を理解する。
 (6) 火花点火機関の構造と基本性能(田中担当)
 内燃機関の一つである火花点火機関の分解・組立てを通して、エネルギーを変換する機構を理解する。
 (7) 球の空気抵抗(金野担当)
 物体に働く流体力のレイノルズ数依存性について調べる。流れの剥離によって抗力が発生するメカニズムを理解するとともに、境界層の状態(層流と乱流)によって剥離がどのように変化するか検討する。
 (8) ひずみゲージ法による機械材料の弾性係数とポアソン比の計測実験(山本担当)
 ひずみゲージを用いて高分子材料の引張応力とひずみの関係を測定することで弾性と塑性を理解する。さらに、ポアソン比を計測することで工業用としての高分子材料の性質を理解する。
 (9) 生体医工学実験(橋本担当)
 生体医工学,バイオメカニクスに関連する実験技術を学ぶ.
 
 (JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」 : (C)○ (D)○ (E)◎
 
 (JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:得られた結果の解析・考察
 弾性と塑性,材料の強度と許容応力,引張・圧縮・せん断応力とひずみ,材料の構造と組織,引張応力とひずみ,真応力と真ひずみ,工業材料の性質と機能,機構の力学,加工法,機械設計,成形加工,層流と乱流,内燃機関
 
 (前提となる基礎知識と修得後の展開)
 本科目を履修する前に,「工業力学及演習I」「同II」などにより力学的量と単位,質点系の力学、仕事とエネルギーに関する項目を修得しておく必要がある。本科目の修得後は、「金属材料工学」、「流れ学」、「内燃機関」などの応用的な科目を履修することができる。
 
<成績評価方法及び水準>
  全課題のレポートが提出されている場合のみ,成績評価の対象となる.成績は、1)レポート提出時における教員との情報伝達等のコミュニケーション力(30%)、及びレポートの内容評価(70%)で判定する。総合点が60点以上の者を合格とする。
 
 1)及び2)は「機械工学プログラム」の学習・教育目標(C)および(D)にそれぞれ対応する。
 
<教科書>
  実験テキスト:「機械実験及び演習」
<オフィスアワー>
  各テーマの内容については、担当教員に相談すること。科目全体のことについては、機械実験及演習幹事の金野まで連絡下さい。
 金野:火曜日16:40〜18:10 八王子校舎8号館203室
 メールでも受け付けます(konno@researchers.jp)
 
<学生へのメッセージ>
  機械工学では実験によって様々なことを検証、検討していきます。この講義では機械実験の基礎について、実際に実験・演習を通じて考えることを目的としています。また、レポート作成についても指導します。卒業研究につながる重要な科目ですから、がんばって勉強してください。また、実験の面白さ(新しいものの発見)を体感してください。
   
 
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