2012年度工学院大学 第1部機械工学科

数学I(Mathematics I)[4301]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
河野 真士 非常勤講師

最終更新日 : 2012/12/14

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 私たちの日常生活のごく身の回りでも、温度、身長、体重、携帯電話の充電量やさらには株価など、時間によって変化するさまざまな量が見られます。こうした変化量を表現する「関数」の概念について初めて言及したのは、17世紀にニュートンと共に微分積分学の誕生に貢献したライプニッツです。関数を取り扱う微分積分学は、古代からある数・方程式や図形などの数学と比べて近代に成立しましたが、その後のさまざまな歴史的検証を経て発展し、今では現代の科学技術の根幹を担う基礎学問の一つとして広く認められています。

 微分積分学は名前の通り微分法と積分法の2つからなりますが、微分では関数の「局所的変化」を、一方積分では関数に付随する「量の総和」を扱います。また、これらの数学操作の根底を支えているのが、「極限」の概念であり、この意味で微分積分学はしばしば「無限」を扱う数学と呼ばれています。

「数学I」では主に一変数関数の微分積分学, 具体的には
 
1.一変数関数とその極限
2.一変数関数の微分法
3.一変数関数の不定積分

の各項目について、基本的かつ実用的な問題を解けるようになることに目標に講義を行います。講義ではなるべく演習時間の確保につとめ、加えて高等学校で数学IIIを履修していない学生についても十分に配慮する予定です。

(JABEE 学習・教育目標)
「機械工学科エネルギー・デザインプログラム」 (D)◎

<授業計画及び準備学習>
第1回 [関数-1] ガイダンス, 実数・基本的な関数
第2回 [関数-2] 指数・対数関数、三角関数・逆三角関数
第3回 [極限と微分-1] 数列の極限、自然対数の底
第4回 [極限と微分-2] 関数の極限、三角関数の極限
第5回 [極限と微分-3] 連続関数、微分係数と導関数
第6回 [極限と微分-4] 合成関数の微分法、逆関数の微分法
第7回 [極限と微分-5] 高階導関数、(微分の計算演習)
第8回 [微分法の応用-1] 平均値の定理、ロピタルの定理と不定形の極限
第9回 [微分法の応用-2] 関数の増減・凹凸、グラフの概形
第10回 [微分法の応用-3] Taylorの定理、関数のTaylor展開公式
第11回 [積分法-1] 不定積分、置換積分法-1
第12回 [積分法-2] 置換積分法-2, 部分積分法-1
第13回 [積分法-3] 部分積分法-2, 有理関数の不定積分-1
第14回 [積分法-4] 有理関数の不定積分-2, (積分の計算演習)
第15回 [学習内容の確認] 定期試験

以上の予定に従って講義を進め、合わせて毎講義時に可能な限り演習時間を取れるよう配慮します。

注意事項:
1.毎回レポート課題を出します。
2.授業計画の( )の項目については、理解状況や進度などを判断して内容の短縮や省略を行う可能性があります。

準備学習:当たり前のことですが、[予習] 教科書を読む、[復習] レポート問題を解く、
の2点を毎回の準備学習とします。

[予習] 次の回に学習する項目について教科書を調べ、だいたいの「あらすじ」、特に
・用語のだいたいの意味
・例題のたいたいの内容
を知った上で講義に臨むようにしてください(理解できるできないは別として)。さらに進んで、
・学習内容について、これまでに学習した数学と関連付けてイメージを持つこと
ができるようになれば、講義の理解度は格段に上がることを確信しています。

[復習] 復習の基本は、
・学習した内容について、「自分の頭」を使ってもう一度考え、より深い「理解」につなげる
・理解した内容について、「自分の手」を動かして練習することで、「定着」につなげる
の2点です。
定着のための問題等については、各講義においてこちらで指示する予定です。

 また、高等学校「数学I・II」の内容も一部復習する予定ですが、時間の制約もあるため、これらの理解に自身がない学生は早急に克服する必要があります。

<成績評価方法及び水準>
定期試験の得点(100点満点)を成績とし、成績が60点以上の場合を合格とします。

「機械工学科エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(D)は上記の評価基準を満たせば達成されます。

<教科書>
コア・テキスト 微分積分 竹縄 和之 著(サイエンス社)
をベースに講義を行います。
初回講義時に教科書を必ず持参してください。

<参考書>
[1] 理工系入門 微分積分 石原・浅野共著(裳華房)
[2] 入門微分積分 三宅敏恒著(培風館)
[3] 微分積分概論 高橋・加藤共著(サイエンス社)
[4] 単位が取れる微積ノート 馬場敬之著(講談社)

<オフィスアワー>
木曜日の昼休み・3限終了後(〜15:30程度)、講師室にて対応します。

<学生へのメッセージ>
数学の勉強の仕方など、わからないことがあったら何でも質問してください。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2012 Kogakuin University. All Rights Reserved.