2012年度工学院大学 第1部機械工学科
△日本の社会思想(Social Ideas in Japan)[1311]
2単位 木下 ちがや 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 前期の「二つの核の世界史」にひきつづき、後期の授業では「二つの核の戦後日本史」を論じていく。
アジア・太平洋戦争の敗北という壊滅的な打撃を経て、戦後の日本は「平和国家」として出発することになった。二つの原爆の投下は戦後の日本国民に強烈な「核アレルギー」をもたらすことになった。にもかかわらず、なぜ日本は50数基もの原子力発電を有することになったのか?この歴史的背景を、冷戦と高度成長、開発主義という文脈から考えていくことが、この授業の目的である。
- <授業計画及び準備学習>
*何度かの授業で、ドキュメンタリーあるいは核に関連する映画を鑑賞する。
主に以下のことをテーマに、授業をおこなっていく。
・戦時下の日本の核開発 ・占領下から独立へ―原発導入のシナリオ ・日本のサブカルチャーにおける「核」−「ゴジラ」 ・高度成長から開発主義へ―原子力の本格的起動 ・日本は、スリーマイルとチェルノブイリをどう受け止めたのか ・冷戦からグローバル化へ―日本の核政策の「転換」から福島の原発事故へ
毎回レジュメを作成するので、その内容を踏まえて、期末のレポートあるいは試験に臨んでください。
- <成績評価方法及び水準>
- 授業の出席を前提とし、期末に行う試験あるいはレポートで評価する。なお、小テストを行う場合もある。詳細は第一回目の授業にて明示する。
- <教科書>
- 特に指定はしないが、以下の文献をもとに、授業を行っていく。
吉岡斉『原子力の社会史―その日本的展開』、朝日新聞出版、2011年 吉岡斉『原発と日本の未来―原子力は温暖化対策の切り札か』、岩波ブックレット、2011年 海渡雄一『原発訴訟』、岩波新書、2011年 朝日新聞特別報道部、『プロメテウスの罠―明かされなかった福島原発事故の真実』、朝日新聞社、2012年
- <参考書>
- 授業内で指示する。
- <オフィスアワー>
- 授業終了後
- <学生へのメッセージ>
- とにかくおおまかにでも歴史的な事実を知ることが大事です。講義で興味をもったら、こういうものを読んだらいいというアドバイスをしますので、聞いてください。 なお、授業中、必要なコミュニケーション以上の私語を行っていると判断した場合には、ただちに退席してもらいます。
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