2011年度工学院大学 第2部機械システムデザイン学科
機械振動学(Mechanical Vibrations)[2G73]
2単位 大石 久己 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 振動は興味深い現象であり,工学において重要な問題である.機械振動の基礎を十分理解することに重点をおき,CAIを併用した講義・演習を行う.以下に具体的な努力目標を示す.
(1) 1自由度系の運動方程式の求め方と,固有振動数,固有円振動数,周期の意味を理解する. (2) 減衰振動と,その特性を表す減衰比の意味を理解する. (3) 強制的に振動させた場合の応答の求め方とその特性を示す共振曲線の意味を理解し,振動絶縁の対策や振動計の設計に生かすことができる. (4) 2自由度系の運動方程式の立て方と,固有振動数と振動モードの意味を理解する.
- <授業計画及び準備学習>
- 1:授業のガイダンスと振動の基本事項について学習する.
2:自由度,運動方程式の考え方について復習し,減衰がない場合の1自由度の系の自由振動の運動方程式について学習する.また,その解法を示し,振動の特性を示す固有円振動数の意味について学習する. 3:外力が作用していない場合のいろいろな1自由度振動系の自由振動の運動方程式を求め,より理解を深める. 4:減衰がある場合にどのように運動方程式をたて,解を求めればよいか.また,得られた解の意味について学習する. 5:減衰要素の特性を表す減衰比,対数減衰率について学習する. 6:課題の説明と自由振動のまとめ 7:自由振動のまとめと確認.減衰のない系に周期的な外力が作用する場合の強制振動について学習する. 8:減衰がある系に周期的な外力が作用する場合の強制振動について学習する. 9:地震などのように床が振動する場合の変位励振による強制振動と,振動が伝わらないようにするための振動絶縁の方法について学習する 10:振動の大きさを計測する振動計の原理について学習する. 11:質点が複数あるような多自由度系の振動の基礎として,2自由度系の運動方程式の求め方と解法について学習する. 12:多自由度系の振動の状態を表す固有円振動数と固有モードについて学習する. 13:機械振動学で学習してきた内容をまとめ,重要な項目について再確認を行う. 14:期末試験 15:機械振動の学習内容の理解度を確認し,不十分な点を補う.
- <成績評価方法及び水準>
- 中間テスト(40%)と期末テスト(60%)の合計が60点以上の者に単位を認める.ただし,演習や課題が不十分な場合は減点する.詳しくはガイダンスで説明する.
- <教科書>
- 「基礎振動工学」芳村,横山,日野共著(共立出版)
- <参考書>
- 「振動学」北郷,露木共著(森北出版)
「機械システムのダイナミックス入門」CAIプログラム付,日本機械学会編 「機械力学 機構・運動・力学」三浦宏文他著(朝倉書店)
- <オフィスアワー>
- 火曜日授業前に教室にいるので,気軽に質問してもらいたい.また,火曜日7限の授業終了後30分程度21:10〜21:45(新宿1772室または1863室).これ以外でも,1772室前の質問用紙(記入例をよく見て記入)と掲示連絡で約束の上,対応可.
- <学生へのメッセージ>
- 講義科目であるが,演習課題を多く解くことで自分の理解度を確認し,講義内容をしっかり理解するよう努力してもらいたい.特に作業を伴う演習問題を課す予定でいる.必ず行い理解を深めてもらいたい.なお,演習問題の解説にはできだけ時間をとるようにはしたいが,演習の授業ではないので,個々の対応は十分できない.課題はすぐに解き,分かったところと,分からなかったところを確認し,次の授業に臨んでもらいたい.更に説明後に改めて問題を見直し,より理解を深めるように努力してもらいたい.
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