2011年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

経済学入門(Introduction to Economics)[1132]

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2単位
遠山 智久 非常勤講師

最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
この講座では、経済学の基本を解説しながら、経済学的な観点で社会・経済をみる力を養うことを目指す。日常生活においても、これからの人生においても、私たち個人は社会との関係の中で生きていかなければならない。そう考えたとき、私たち個人にとってひいては社会全体にとって必要な社会の仕組みはどういうものでなければならないのか?あるいは、我々人間社会をよい方向に導く社会制度とはいったいどういうものなのか?「社会・経済をみる」とは、この問いに対する答えを自分なりに持つということに他ならない。これらを考えるヒントは身近なところにたくさん転がっている。

講義では身近な事例を題材に経済学の理論を学ぶわけだが、講義を通じて諸君がそれらに対するなんらかの解答を持つきっかけになればと思っている。

新聞や難しい本を手にしたとき何をどう読んで良いのか?どう考えればよいのか?オロオロすることがあるだろう。それは「読む視点」がないからだ。読む視点のことを学問では理論と呼ぶ。理論はいわば物事を見るためのメガネ。経済学を一通り学べば、そのメガネが与えられ、新聞の経済記事はある程度理解できるようになる。この講座でも、トピックとしてニュースで話題になりやすい社会・経済問題を経済学の基本に当てはめて分析する。

<授業計画及び準備学習>
●ミクロ経済学

1.イントロダクション〜経済学の考え方とインセンティブ問題
学習準備:この講座で社会経済について何を知りたいか?自分なりに考えておきましょう。何事も自分だけの目標をもって臨むと学べる内容も異なってくるので、目標を持つことはとても大切!「個性」を持ちたいと考えられているなら、何に関しても自分だけの目標を持とうとする心を持つことは個性的になる大きな一歩なのだ。目標が異なれば、同じ講義を聴いても自分なりの位置づけは変わってくる。日常の現象の様々な位置づけられかたの違いは、積み重なると社会や人間をみる視点に大きく影響するようになる。

2.ゲーム理論: 静学ゲームとナッシュ均衡〜かけひきの経済分析
学習準備:参考書のゲーム理論の部分を一読しておいてください

3.ゲーム理論: 動学ゲームと部分ゲーム完全均衡〜コミットメントとは何か?
学習準備:参考書のゲーム理論の部分を一読しておいてください。

4.情報の非対称性が引き起こす問題:逆選択とモラルハザード
学習準備:参考書のゲーム理論の部分を一読しておいてください。

5.貨幣の不思議とその役割 欲求の二重の一致 
学習準備:参考書の部分均衡分析の部分を一読しておいてください。

6.需要と供給の原理(価格メカニズム)とその特徴〜余剰分析・課税
学習準備:参考書の部分均衡分析の部分を一読しておいてください。

7.価格メカニズムの限界〜環境問題の経済分析
学習準備:参考書の市場の失敗とその補正の部分を一読しておいてください。

●マクロ経済学

8.マクロ経済学入門〜GNPの概念・物価水準
学習準備:参考書の国民所得会計の部分を一読しておいてください。

9.GNPの決定 新古典派とケインズの乗数理論、累進課税の役割
学習準備:参考書の国民所得決定の理論(乗数理論)の部分を一読しておいてください。

10.中央銀行の役割・マネーサプライと市場金利
学習準備:参考書のマネーサプライに関する部分を一読しておいてください。

11. 財政金融政策の効果〜IS-LMモデルの概要
学習準備:参考書のIS-LM分析に関する部分を一読しておいてください。

12. 財政金融政策の効果〜IS-LMモデルによる分析
学習準備:前回の復習と、参考書のIS-LM分析に関する部分を一読しておいてください。

13.株価・為替レートの決定理論
学習準備:参考書の株価決定と為替レートに関する部分を一読しておいてください。

14. 経済学の考え方 再考〜科学哲学(観察と理論)・倫理(平等・価値観)
学習準備:前回までの総復習をして、経済学を学んで何がわかったのか自分なりに考えておいてください。

15. 期末試験
学習準備:前回までの範囲を総復習しておいてください。詳しくは14回目の授業で説明します。

<成績評価方法及び水準>
成績評価は平常点(小テスト・宿題・レポートなど)20%、期末試験80%。
詳しくは初回の講義で説明します。

<参考書>
●ミクロ経済学 
遠山智久「大学生のミクロ経済学」東京図書。
●マクロ経済学
中谷巌「入門マクロ経済学」日本評論社。

<オフィスアワー>
授業の後1時間。いつでも連絡してください。

<学生へのメッセージ>
学問の喜びとは、「目から鱗」。授業で学んだことで、身の回りの様々な出来事の見え方が変わってくる・・・そんな経験を私は味わってほしいと私は思っています。そういう授業ができたらよいのですが。

 

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