2011年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
△芸術と社会A(Art and Its Social Aspects A)[4158]
2単位 梅津 紀雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 【授業のねらい】
この授業では西洋音楽史を主たる素材として、音楽と社会との関係を多面的に検討します。 その際、日本における西洋音楽の導入の歴史についても合わせて検討したいと思います。 【達成目標】 1)私たちの生活にあふれている音楽を学問的な対象として捉えなおし、2)音楽が社会の中で中立的に存在するのではなく、様々な相関関係を切り結びつつ存在してきたありようを具体的に学び、3)その際に参照される様々な概念についても一定の認識を身につけることです。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. シラバス確認、ガイダンス
準備学習: シラバスを確認しておく 2. 音楽と宗教(1) 準備学習: キリスト教やグレゴリオ聖歌について事典などで確認しておく 3. 音楽と宗教(2) 準備学習: カンタータやレクイエムについて事典などで確認しておく 4. 音楽とジェンダー(1) 準備学習: カストラートについて事典などで調べておく 5. 音楽とジェンダー(2) 準備学習: 例えば、習い事としてのピアノのイメージについて考えておく 6. 演奏会制度の成立 準備学習: お金を払って演奏会に行くという形式をどのように疑い得るか考えておく 7. 音楽とナショナリズム(1) 準備学習: ロマン主義について事典などで調べておく 8. 音楽とナショナリズム(2) 準備学習: ナショナリズムについて事典などで調べておく 9. 音楽とオリエンタリズム(1) 準備学習: エグゾティシズムについて事典などで調べておく 10. 音楽とオリエンタリズム(2) 準備学習: オリエンタリズムについて事典などで調べておく 11. 20世紀音楽(1)20世紀初頭の音響的探求 準備学習: 未来派、微分音、12音音楽について事典などで調べておく 12. 20世紀音楽(2)20世紀後半の音響的探求 準備学習: ミニマル・ミュージックについて事典などで調べておく 13. 音楽と政治 準備学習: 全体主義や社会主義リアリズムについて事典などで調べておく 14. 日本における西洋音楽の導入 準備学習:日本の伝統音楽のイメージを自分なりに考えておく 15. まとめ、期末試験 準備学習: 前回までの総復習を行う
- <成績評価方法及び水準>
- 成績は、平常点40%、教場レポート60%の配分で評価します。
原則毎回感想や意見をレスポンスカードに書いて提出していただき、それにより平常点をつけます。出席するだけでは平常点は得られません。聞いていない人、感想や意見がない人には平常点はありません。 教場レポートは試験期間に教室でレポートを書いていただくものです。毎回のレスポンスカードの積み重ねがよいレポートに結実します。 なお、授業態度によっては試験の結果にかかわらず、単位を認定しません。
- <教科書>
- 特に使用しません。毎回プリントを配布します。
- <参考書>
- ・岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』中公新書
・西村理監修『CD付き もう一度学びたいクラシック』西東社 その他、講義中に指示します。
- <オフィスアワー>
- 授業開始前・終了後、教室または兼任講師室で。なお、単位に関する個別の交渉には応じません。
- <学生へのメッセージ>
- 現在、一見、情報は気楽に集められるようになりましたが、手軽に身に付く知識の「賞味期限」は短いものです。短時間で覚えたことは短時間で忘れます。そもそも勉強は試験や単位のために行うものではなく、自分自身の今後の人生をより豊かにするためのものであり、知識や教養は決してアクセサリーなどではなく、日常の意識を問い直すためのものなのです。日本が、そして世界が揺らいでいる今、未知なる未来を生き抜く準備をしておきましょう。
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