2011年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
エンジニアリングマネジメントI(Engineering Management I)[4A15]
2単位 矢崎 敬人 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 企業で働くエンジニアの活動が,企業全体の中でどのような意味を持つかを理解してもらうことがこの授業のねらいである.企業の組織や構造についての基礎的な理解を身につけてもらうことが達成目標である.
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」:(A)◎,(C)○,(E)○
(前提となる基礎知識) 前期科目「経済学の基礎」の履修または聴講を強く勧める.同科目を履修または聴講できない場合には,本科目初回授業までに「経済学の基礎」のシラバスで紹介した教科書または参考書のいずれか1冊を読み通して理解しておいてもらいたい.
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス,経済性評価
ガイダンス. 意思決定プロセス,企業におけるエンジニアの役割.経済性評価のための比較の原則
2.経済性評価(2) 割引と現在価値.貨幣のマネジメント.
3.経済性評価(3) 利子率.インフレーション.
4.経済性評価(4) 資産の評価.収益率分析.キャッシュフロー分析.不確実性.
5.企業会計の基礎(1) 企業活動についてのさまざまな指標.財務会計の重要性.財務会計の基本的な考え方.
6.企業会計の基礎(2) 財務諸表の読み方.
7.企業会計の基礎(2) 財務諸表の活用.
8.企業理論 企業はなぜ存在するのか.新古典派の企業理論.財務と投資の理論.新しい企業理論.
9.産業組織と企業戦略 SCPパラダイムと5つの競争要因.数量競争と価格競争.価格戦略.マーケティング戦略.プロダクト・ライフサイクル.
10.垂直統合,多角化,合併 垂直統合の利益と不利益.系列取引.範囲の経済性.多角化.M&A.
11.経営組織 職能別組織と事業部性.分社化.財閥と持株会社.企業集団.系列.
12.内部労働システム 賃金体系とインセンティブ.年功賃金性.昇進競争.技能形成.スクリーニングとシグナリング.
13.研究開発の戦略と組織(1) 製品革新と工程革新.情報の公共財的性質.特許制度と特許をめぐる競争.研究開発投資と生産性.
14.研究開発の戦略と組織(2) 学習効果.ネットワーク外部性と標準規格.
15.学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 授業への貢献:30%
小テストやレポート:30% 期末試験:40%
- <教科書>
- 特に指定しない.
- <参考書>
- (◎は特に参考になるもの)
○Park, Chan S. (2008), Fundamentals of Engineering Economics (2nd Edition), Upper Saddle River, NJ: Pearson Prentice Hall. ◎千住鎭雄,伏見多美雄,藤田精一,山口俊和(1986)『経済性分析(改訂版)』日本規格協会.(2200円+税)(授業計画1.〜4.の内容について特に参考になる.) ◎國貞克則(2007)『財務3表一体理解法』朝日新書.(756円+税)(授業計画5.〜7.の内容について特に参考になる.)
◎小田切宏之(2000)『企業経済学』東洋経済新報社.(2800円+税))(授業計画8.〜14.の内容について特に参考になる.) ○榊原清則(2002)『経営学入門(上)』『経営学入門(下)』日経文庫.(各860円+税) ○ジョー・ティッド,ジョン・ベサント,キース・パビット(後藤晃,鈴木潤監訳)『イノベーションの経営学:技術・市場・組織の統合的マネジメント』NTT出版.(4800円+税)
より専門的な文献は授業の中で紹介する.
- <オフィスアワー>
- [後期]
(新宿1167号室)月曜日5時限,木曜日2時限. 上記日時以外でもメールで予約の上で面談可.
- <学生へのメッセージ>
- 企業組織,企業戦略,また企業データの見方について理解することにより,エンジニアの仕事を大局的に位置づけて把握する力がつくはずである.これは,皆さんが将来経営幹部として活躍したり,新事業を立ち上げたりする際に,必ず役に立ってくると考える.
- <備考>
- 授業に関する連絡をキューポートを通じて行うことがあるので,キューポートに配信されたメッセージを随時確認できるようにしておくこと.
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