2011年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

物理学演習III(Exercises in Physics III)[4568]

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1単位
小池 正史 非常勤講師

最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
● 概要
* グローバルエンジニアリング学部における学習の土台の1つと
 して、物理学の基礎を学ぶ。
* 物理学演習IIIでは流体力学、波動、電磁気学、および20世紀の
 物理を扱う。
* 電磁気学については、すでに物理学IIと物理学演習IIで基礎的な
 部分を学習したことを前提にする。

● 目標
(1) 流体の基礎的な概念を理解すること。
(2) 波動の基礎的な概念を理解すること。
(3) 物理学IIと物理学演習IIで学んだ電場・磁場の概念を復習し、
 場の中での荷電粒子の運動を理解すること。
(4) マクスウェルの方程式を構成する4つの法則の意味を理解し、
 簡単な系に対して使えるようになること。
(5) 電磁波の概念と性質を理解すること。
(6) 20世紀の物理学の礎となった特殊相対性理論と量子論について
 知ること。

● JABEE学習・教育目標
「国際工学プログラム」
* (C) 基礎工学・専門工学知識の習得:◎
* JABEE基準1の(1)の知識・能力: (c)(d)の(1): ◎

● 前提となる基礎知識と修得後の展開
前提となる基礎知識:「物理学I」、「同演習I」、「物理学II」、
 「同演習II」で扱った力学・熱力学・電磁気学の基礎部分。
修得後の展開:本科目の内容は、物理学の知識を基礎と
 して要求する各専門科目の履修に役立つ。

<授業計画及び準備学習>
● 注意事項
* 実情に応じて内容を取捨・補充・入れ替えをすることがある。

準備学習で示した教科書の「理解しておく」箇所については、次
 を行うこと。
 ・ 本文を熟読する。
 ・ 本文で説明された計算を自分の手でも行って、理解を確かめる。
 ・ 例題や章末問題なども解こうと試みることが望ましい。

準備学習で示した演習教材の「準備しておく」箇所については、
 次を行うこと。
 ・ 問題英文を理解する。知らない単語は辞書で意味や発音などを
  調べる。
 ・ 問題に自ら取り組み、ノートなどに解答を自分の言葉で答案形
  式にまとめる。
 ・ 問題は必ずしも完全に解ける必要はない。しかし、解けない問題
  については、疑問点や不明な点を洗い出しておく。

● 授業計画および準備学習
第1回: ガイダンス、予備知識の確認
キーワード: 微分法、積分法、ベクトルの内積と外積、質点の運動、
 仕事、エネルギーとその保存、運動量など。
準備学習: 高等学校、大学入学後に学習した数学と物理学の内容を
 十分に復習する。

第2回: 流体力学1 (静止流体)
キーワード: 密度、圧力、パスカルの原理、浮力、アルキメデスの
 原理。
準備学習
* 教科書 第6章、98〜100ページを理解しておく。
* 演習教材「静止流体」を準備しておく。

第3回: 流体力学2 (流体の運動)
キーワード: 流量とその保存、ベルヌーイの定理、流れの相似則、
 レイノルズ数、循環、非圧縮性。
準備学習
* 教科書 第6章、100〜102ページを理解しておく。
* 教科書 第6章、104ページを理解しておく (非圧縮性流体の性質)。
* 演習教材「静止流体」を準備しておく。

第4回: 波動1 (波動の記述、波動の性質)
キーワード: 波長、周期、振動数、角振動数、位相速度、正弦波、
 進行波、干渉、ヤングの実験。
準備学習
* 教科書 第7章、107〜111ページを理解しておく。
* 演習教材「波動(1)」を準備しておく。

第5回: 波動2 (波動の性質の続き)
キーワード: 屈折、屈折の法則(スネルの法則)、ドップラー効果、
 音速。
準備学習
* 教科書 第7章、111〜114ページを理解しておく。
* 教科書 第7章、117ページ問7.6を理解しておく
 (音速の温度依存性)。
* 演習教材「波動(2)」を準備しておく。

第6回: 電磁気力 (電磁場下での荷電粒子の運動; 電流間に働く力)
この回の内容は、物理学II、同演習IIの内容の復習となる。
キーワード: 運動方程式、荷電粒子が電場から受ける力、ローレン
 ツ力、電流どうしの間に働く力(アンペール力)。
準備学習
* 以下の既習事項について、十分に復習と理解をしておく。
 ・ 運動方程式の立て方、解き方 (教科書 第1章、第2章)。
 ・ 電荷が電場から受ける力 (教科書 第9章 155〜160ページ)。
 ・ ローレンツ力 (教科書 第9章 191〜194ページ)。
 ・ 電流どうしの間に働く力 (教科書 第9章 194〜195ページ)。
* 演習教材「電磁気力」を準備しておく。

第7回: 電位
キーワード: 電位。
準備学習
* 教科書 第9章、167〜171ページを理解しておく。
* 演習教材「電位」を準備しておく。

第8回: コンデンサー、電気的エネルギー
キーワード: コンデンサー、電気容量、コンデンサーが蓄えるエネ
 ルギー、電場のエネルギー密度。
準備学習
* 教科書 第9章、171〜173ページを理解しておく。
* 演習教材「コンデンサー、電気的エネルギー」を準備しておく。

第9回: アンペールの法則
キーワード: アンペールの法則。
準備学習
* 教科書 第9章、175〜178ページを理解しておく。
* 演習教材「アンペールの法則」を準備しておく。

第10回: 電磁誘導
キーワード: ファラデーの法則(電磁誘導)、自己インダクタンス、
 コイルが蓄えるエネルギー、磁場のエネルギー密度。
準備学習
* 教科書 第9章、182〜183ページを理解しておく。
* 演習教材「アンペールの法則」を準備しておく。

第11回: ベクトル解析、Maxwell方程式
キーワード: ベクトル場、勾配 (grad)、回転 (rot)、発散 (div)。
準備学習
* 教科書 附録A、245〜246ページを理解しておく。
* 演習教材「ベクトル解析」を準備しておく。
* 演習教材「Maxwell方程式と電磁波」の問1を準備しておく。

第12回: Maxwell方程式と電磁波
キーワード: 電荷の連続の方程式、微分形のマクスウェル方程式、
 ポインティングベクトル、波動方程式、電磁波。
準備学習
* 教科書 第9章、186〜191ページを理解しておく。
* 教科書 209ページ問9.11を理解しておく (電荷の連続の方程式)。
* 演習教材「Maxwell方程式と電磁波」の問2、3を準備しておく。

第13回: 相対性理論
キーワード: 相対論的な速度の合成則、時間の遅れ、質量とエネル
 ギーの等価性、ローレンツ変換。
準備学習
* 教科書 第10章、211〜218ページを理解しておく。
* 演習教材「相対性理論」を準備しておく。

第14回: 量子論
キーワード: 光子のエネルギーと運動量、物質波、不確定性原理、
 コンプトン効果。
準備学習
* 教科書 第9章、186〜191ページを理解しておく。
* 教科書 第3章、68〜69ページを理解しておく (2次元の衝突)。
* 演習教材「量子論」を準備しておく。

第15回: 学習成果の確認 (試験)
準備学習 前回までの総復習を行う。

<成績評価方法及び水準>
評価は、平常点および/または試験に基づいて行う。
* 平常点:「板書による発表」・「小テスト」などによる。
* 試験点:「期末試験」による。
「平常点4:試験点6」の重み付き評点と、試験点のみの評点のうち、
高い方を総合評点として採用する。
総合評点は100点満点とし、60点以上の学生に単位を認める。

<教科書>
* 演習問題:教材を配布する。
* 教科書:『理工系物理学講義(改訂版)』培風館、加藤潔 著
 (物理学IIIで使用のもの)。

<参考書>
『物理学演習テキスト』学術図書出版社、物理学演習テキスト編集委員会 編。

<オフィスアワー>
* 木曜日 12:00〜13:00 (八王子校舎1号館206室)。
* 演習担当教員は、演習開講日以外には八王子校舎不在なので、予め
 連絡を取っておくのが確実です。
* 質問内容によっては、自分の学籍番号と氏名を明記の上で担当教員
 に下記メールアドレスに問い合わせてもよい。
 fu40851(at)ns.kogakuin.ac.jp [(at)は@に置き換える]

<学生へのメッセージ>
* 授業に出席することで、勉強の時間をしっかり確保しよう。
* 物理学は、基本法則からの積み重ねで自然を理解する分野です。
* 授業では、暗記してでも答えを出すよりも、自分であれこれ考えて
 試行錯誤したり、新しく習ったことを実地で試してみたりする方が
 ずっと大切です。
* 手間と時間は惜しまないことにしよう。最初は大変ですが、理解が
 進むとどんどん楽になるものです。
* わからないことは、たとえ中学・高校の内容でも迷わず戻って
 復習しよう。いやがったり恥じたりする必要なし。
* 1度理解したのに、また忘れてしまうのは非常にもったいない。
 ちょくちょく復習しよう。試験前にまとめて復習するよりずっと楽
 でもあります。

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