2011年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

化学I(Chemistry I)[2458]

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2単位
佐藤 光史 教授  
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最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
理工系大学生として必要な化学の基礎知識を身につけることをねらいとする。高校化学程度の基本的な事項からはじめるが、講義はより理論的で厳密になる。また、英文の資料と演習問題を適宜参照しながら講義を進め、基本的な元素名や化学用語を英語でも理解する。現代社会における化学の役割を認識し、化学の視点から自らの専門分野を見直すことが目標である。
<達成目標>
(1)化学の関わる分野が極めて多岐に渡ることや、実生活に深く関連していることを講義を通して知ること。(2)元素名、単位や基本的な化学用語の内容を日・英両言語で明確に説明できること。加えて,化学の基礎事項として,以下の項目の理解を達成目標とする。(3) 原子の構造を理解し、そこから化学結合の本質を説明できるようになる。(4)化学反応に関する簡単な化学計算ができるようになる。(5)ミクロな分子とマクロな物質を結ぶ動的平衡の概念を理解する。(6)酸と塩基の定義とそれらの反応について理解する。
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c):◎
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
本科目の履修の前提となる科目は特にないが、1年で「化学実験」を履修し、化学にあらかじめ親しんでおくことは、化学履修への心理的障壁を低減するのに有効であろう。
本科目で習得した内容を、さらに「化学II」を履修することで発展させることが望ましい。また、本科目で化学の基本的素養を習得することは工学全分野で有用かつ必要なことである。

<授業計画及び準備学習>
第1週:物質の分類と化学の対象
第2週:化合物の命名法(化学式と名称)
第3週:原子の構造とそのモデル
第4週:電子配置と元素の周期性
第5週:化学結合と電子、イオン結合と金属結合
第6週:共有結合と分子
第7週:物質の三態、気体分子の状態方程式
第8週:液体(溶液)、固体(結晶)
第9週:化学変化とその量的関係、化学反応式
第10週:化学平衡、質量作用の法則
第11週:反応に伴う熱収支、反応速度
第12週:酸と塩基、中和反応、酸・塩基の強弱
第13週:中和反応、加水分解とpH
第14週:化学反応と環境
第15週:学習成果の確認(試験)
<準備学習>
各回の課題を用いて、予習・復習を行うこと。各時間ごとに提示される課題は、前回の復習を含むので、到達度を確認できる。新たな課題による予習に取りかかる前に、到達度に応じて複数回の復習を行い、確実な実力を身に付ける。

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験(100点)で評価し、授業中の演習問題の成績を最大50%まで総合して評価する。成績評価は、それらの合計点が100点を越えないように規格化して行なう。合計点が59点以下の場合、レポートの提出を課す場合もあり得るが、レポート内容が単位認定相当の場合の評価点は60点となる。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版)および配布資料

<参考書>
「基礎化学」化学教科書研究会編 化学同人
「化学 基本の考え方を中心に」A. Sherman, S. Sherman and L. Russikoff著 石倉洋子・石倉久之訳 東京化学同人
「実感する化学(上下)」A Project of the American Chemical Society 廣瀬千秋訳 エヌ・ティー・エス
以上の二編は、アメリカの教養課程向け化学教科書の和訳である。国際的には、これらの本にある化学知識が「社会人」の常識であると考えてよい。大量の易しい演習問題に答えながら基礎知識を固めていくスタイルなので、高校化学に自信のない学生に一読を薦める。
その他の参考書は講義の際に紹介する。

<オフィスアワー>
特に指定しない。研究室在室中(八王子12号館305号室)は、質問や相談を歓迎する。但し、常に研究室に在室しているとは限らないのでE-mailを利用するか、来室を事前に連絡すること(ft10302@ns.kogakuin.ac.jp)。

<学生へのメッセージ>
化学抜きで物質を語ることはできないことを知ろう。物質から成り立っている、環境や生命を理解する入口であることに気付こう。興味をもち、積極的であれば必ず糸口が見つかる。

 

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