2011年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
○数学演習I(Exercises in Mathematics I)[5213]
1単位 矢崎 敬人 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- グローバルエンジニアリング学部の数学演習では,将来,技術者として開発・設計に携わる上で必要となる数学的知識のうち,1変数の微分積分学の修得を主たる目的としている.ここでは数学を工学的問題解決のための道具として位置付けていることから,基本的な考え方の説明(必要最小限の証明を含む)と実際に問題を解くことに時間を費やす.厳密な数学的解説,細部にわたる証明は講義系科目の数学I,IIで十分学習されたい.授業では毎時間,演習問題を解き答案を提出してもらう.
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」 (C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎ JABEE基準(1)の知識・能力:(c):◎
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 高等学校において微積分を一通り学習していることを前提とする.本科目の習得は,数学演習IIで多変数関数の微積分を学習することへとつながる.
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス,関数と極限
独立変数と従属変数,開区間と閉区間など数学的用語の解説をしながら,さまざまな関数を図形的に表現する.また,関数の極限に関する考え方を学ぶ.(基本的な関数の性質と極限について理解すること.)演習問題1. 準備学習:高校で学習した微分,積分の復習をしておくこと.
2.微分法の基礎 微分係数・導関数の定義を行う.また,和,差,積,商及び合成関数など微分法の諸公式を紹介する.(微分係数を極限値として理解した上で微分法の諸公式が計算できること.)演習問題2. 準備学習:演習問題2を解いておくこと.
3.さまざまな関数の微分 指数関数・対数関数,三角関数・逆三角関数の微分法を学び,対数微分法についても紹介する.(基本的関数の微分が計算できること.)演習問題3. 準備学習:演習問題3を解いておくこと.
4.不定形の極限値 小テスト(範囲:第1回〜第3回). ロルの定理,平均値の定理,コーシーの平均値の定理を紹介した後,ロピタルの定理について学ぶ.(ロピタルの定理を用いて極限値の計算ができること.)演習問題4. 準備学習:演習問題1〜3を復習しておくこと.演習問題4を解いておくこと.
5.テイラー展開・マクローリン展開(1) テイラーの定理,テイラー展開及びマクローリン展開の考え方について学ぶ.(テイラー展開及びマクローリン展開を図形的にイメージできること.)演習問題5. 準備学習:演習問題5を解いておくこと.
6.テイラー展開・マクローリン展開(2) テイラー展開及びマクローリン展開の実用性・利便性について紹介する.(基本的な関数のマクローリン展開が行えること.)演習問題6. 準備学習:演習問題6を解いておくこと.
7.関数の値の変化 小テスト(範囲:第4回〜第6回). 関数の増減,極値,最大・最小,関数の凹凸について学ぶ.(与えられた関数の増減,極値,最大・最小等の性質を判定し,概形を描くことができること.)演習問題7. 準備学習:演習問題4〜6を復習しておくこと.演習問題3を解いておくこと.
8.積分法の基礎 微分と積分の関係並びに定積分,不定積分の考え方について学ぶ.また,初歩的な関数の不定積分について学ぶ.(初歩的な不定積分を行えること.)演習問題8. 準備学習:演習問題8を解いておくこと.
9.置換積分法 基本的な関数の不定積分を紹介するとともに,置換積分法について解説する.(置換積分法を用いて関数を積分できること.)演習問題9. 準備学習:演習問題9を解いておくこと.
10.部分積分法 小テスト(範囲:第7回〜第9回). 部分積分法について解説する.(部分積分法を用いて関数を積分できること.)演習問題10. 準備学習:演習問題7〜9を復習しておくこと.演習問題10を解いておくこと.
11.有理関数・無理関数の積分 部分分数分解を用いた有理関数の積分並びに無理関数の積分について解説する.(基礎的な有理関数・無理関数の積分が実行できること.)演習問題11. 準備学習:演習問題11を解いておくこと.
12.定積分 積分区間の意味を含む定積分のイメージ・考え方について学ぶ.(基礎的な定積分が実行できること.)演習問題12. 準備学習:演習問題12を解いておくこと.
13.定積分の応用 小テスト(範囲:第10回〜第12回). 体積や曲線の長さの計算の方法を学ぶ.(定積分を用いて体積や曲線の長さを計算できること.)演習問題13. 準備学習:演習問題10〜12を復習しておくこと.演習問題13を解いておくこと.
14.広義積分 関数が積分区間内のある点で不連続になる場合の定積分の定義拡張について述べる.(簡単な広義積分を計算できること.)演習問題14. 準備学習:演習問題14を解いておくこと.
15.学習成果の確認(試験) 準備学習:今期の内容を総復習しておくこと.
- <成績評価方法及び水準>
- 原則的として,小テストと期末試験のみで評価する.
小テスト: 50%(4回程度実施し,各12.5%の予定.) 期末試験: 50%(2回程度実施し,高い方の点を期末試験の得点として採用する.) ただし例外的に,授業中,模範解答を披露した学生についてはプラスαの場合もある. 総合点60点以上の者に単位を認める.期末試験第1回までに合格点に達した者については,期末試験第2回の受験は任意とする.なお,小テストは各一度しか実施しないので,受験漏れがないように注意すること(特別の事情がない限り,小テストの再試験は実施しない).
- <教科書>
- なし.
- <参考書>
- 石原繁・浅野重初『理工学系の基礎 微分積分 増補版』裳華房.
その他,微分積分学に関する書籍はたくさん出版されているので,書店や図書館などで実際に手にとって自分にあったものを選ぶとよい.参考までに下記を紹介しておく. 有馬哲・石村貞夫『よくわかる微分積分』東京図書. 足立恒雄『理工基礎 微分積分I』サイエンス社. 難波誠『微分積分学』裳華房.
- <オフィスアワー>
- [前期]
(八王子1号館講師室)金曜日2時限の前後. (新宿1167号室)木曜日2時限.
上記日時以外でもメールで予約の上で面談可
- <学生へのメッセージ>
- 数学演習Iで学ぶ内容は全ての理工系科目の土台となる.内容を確実に理解し,問題を解けるようになってもらいたい.
- <備考>
- 授業に関する連絡をキューポートを通じて行うことがあるので,キューポートに配信されたメッセージを随時確認できるようにしておくこと.
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