2011年度工学院大学 建築学部

構造力学I(Structural Mechanics I)[5116]

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2単位
宮村 正光 教授  
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最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
建築は構造なくして、成り立ちません。最も基本的な建物の骨組みを作るための基本的な力学的ルールと、裏づける理論的な根拠を学びます。建物に加わる様々な荷重によって、骨組みが受ける力や生じる変形の性質を理解し、構造力学の知識が実際の建物の設計にどのように反映されているかを学びます。講義の目標は静定構造物が解析出来るレベルを目指します。

<授業計画及び準備学習>
全体的な講義は以下の流れに沿って進めますが、授業の進捗によっては、内容が変更することがあります。準備学習は毎回の授業の中で必要な事項を説明します。
1.ガイダンス:全体概要、構造力学から構造設計へ、 準備学習:建物の形状の観察
2.構造物に作用する外力:荷重の種類、力の要素、モーメント
3.力の合成と分解:釣り合いの条件、示力図、連力図
4.構造骨組みと支点反力:支点と節点、力学モデル、骨組みの安定性
5.断面力の算定:断面力の概念、切断法、M,N,Q図
6.片持梁の断面力:例題による算定手順、釣り合い式による解法、断面力図
7.単純支持梁の断面力:例題による算定手順、集中荷重と分布荷重、断面力図
8.静定ラーメン構造の断面力:解法の考え方、片持ラーメン、3ピン構造
9.例題による中間レビュー:簡単な例題による基本骨組みの解析手順の確認
10.トラス構造:トラスの性質、節点法、切断法
11.断面の性質と応力度:応力度と歪、フックの法則、せん断応力度
12.静定骨組みの変形と部材の座屈:仮想仕事の原理、断面1次、2次モーメント、弾性曲げ座屈
13.構造設計入門:単純梁の設計、許容応力度の考え方、設計法の概要
14.不静定構造物への展開:不静定構造物の解法、応力法の考え方、構造物の保有耐力
15.試験:学習内容の確認、基本事項と演習問題

<成績評価方法及び水準>
出席状況、課題のレポート、試験の結果から総合的に判定します。

<教科書>
初めての建築構造力学、<建築のテキスト>編集委員会編、学芸出版社
必要な資料を適宜配布します。

<参考書>
わかる建築学 建築構造力学、安達 洋・丸田栄蔵編、学芸出版社
よくわかる構造力学の基本、松本慎也著、秀和システム
建築材料力学、榎並昭著、彰国社
基礎シリーズ、最新建築構造設計入門、新訂版、−力学から設計までー和田章、古谷勉監修、実教出版
必要な資料を適宜配布します。

<オフィスアワー>
月〜金曜日(9時〜17時)は基本的には研究室にいます。授業の内容に限らず、いつでも気楽に相談に来て下さい。長年民間企業に在籍してきた経験などお話しします。

<学生へのメッセージ>
構造力学を理解するのに、高度な数学的な知識は不要です。皆さんが学んだ知識の中で、基礎となる力学的なルールや考え方を学んでください。構造力学は、将来建築の仕事を目指す人にとって、不可欠な最も基本的な知識です。ユニークなデザインも力の流れを理解しないと実現しません。美しい建築は合理的な構造が生み出します。身近な構造物を眺め、力の流れを理解すると、思わぬ喜びを感じることができるかもしれません。

 

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