2011年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

移動現象(Transport Phenomena)[5B09]

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2単位
上山 惟一 特別専任教授  
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石川  徹 准教授  
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最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
物質、熱および運動量の移動現象は、物理現象として良く似ているところがあります。その類似性を認識することで移動現象をより深く理解したという喜びを感じて下さい。

<授業計画及び準備学習>
1.移動現象入門;移動の推進力と流束の考え方を学び、基礎法則として運動量・熱エネルギー・質量の保存則及びそれらの移動の類似性について整理する。
2.流体の粘性と流動の基本的事項;粘性についてのNewton則について学び、流体(気体と液体)の重要な性質である粘度について理解する。
3.流動における物質収支、エネルギー収支;円管内定常流れにおける物質収支を考え、様々な流量や流速の表わし方を理解する。定常流動におけるエネルギー保存則(エネルギー収支)の導出を理解する。
4.円管内の層流、乱流;無次元数であるレイノルズ数の仕組み、臨界レイノルズ数の意味を学び、層流、乱流の違いを理解する。微小区間の運動量収支から層流の速度分布式を誘導する。
5.乱流速度分布の普遍的表示式;乱流の表示方法及び円管内乱流の構造を理解し、代表的な速度分布を指数速度分布式と対数速度分布式を学ぶ。
6.円管内流れの摩擦損失;円管内流れの摩擦によるエネルギー損失を理解する。ファニングの式を誘導し、層流、乱流の摩擦係数の算出法について学ぶ。
7.流体輸送の所要動力;摩擦損失係数の導入を理解し、機械的エネルギー保存の法則から流体輸送の所要動力を求める式を誘導する。また、様々な流体輸送機について説明する。
8.「学習成果の確認(中間試験)」
9.拡散現象は分子のランダム運動の結果として起きることを学ぶ。
10.物質収支式、および連続の式を導く。
11.物質収支式から、薄膜中の濃度分布(反応を伴わない場合と伴う場合)、円筒幕中の濃度分布、球殻膜中の濃度分布が導かれることを学ぶ。
12.伝導伝熱および対流伝熱についての基礎を学び、熱収支式を導く。
13.熱収支式から平壁内の温度分布(発熱面がない場合とある場合)を導く。
14.物質移動係数および伝熱係数の概念を学ぶ。
15.物質移動、熱移動、運動量移動の相似性を学ぶ。

<成績評価方法及び水準>
中間テスト、および期末テストの成績により評価し、総合点60%以上を合格とする。

<教科書>
使用しない。

<参考書>
講義の中で適宜示す。

<オフィスアワー>
メールで約束の上、対応します。
教員のE-mailは「学修ガイダンス」を参照してください 。

<学生へのメッセージ>
”やれそう!?”と思う人と、”無理そう!?”と思う人では、講義の身に付き方が格段に違ってしまいます。”理解しようと思っているのだから分からせてくれ!”という気迫のこもった質問、大歓迎です。

 

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