2011年度工学院大学 第1部機械システム工学科
工業材料(Engineering Materials)[4C16]
2単位 丹羽 直毅 非常勤講師 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工業材料は「人間の生活を支えている様々な工業製品(身近な家電製品、時計、カメラ、自動車、電車、船舶、ロケット、ロボットなど社会の保守に役立つ産業機械等)を構成している材料」をさします。
これら工業製品は、人間の役に立つことは当然として、故障したり、破損したりして、所期の目的を果たせなかったり、人間に危害を及ぼすことがあってはなりません。 設計するとは、設計するものと製造するものとのコミュニケーション手段の図面に形状、寸法、公差、の他に材料の指定も行います。従って、製品開発の良いアイデアがあったとしても、工業材料の知識無しには、設計図が画けず、製品にならないことになります。授業では、機械材料としての、種類、性質、力学的特性、性能評価、生産技術(加工性、設備等)についての材料の一般的な基礎、基本的な考え方(不具合解析の知識等)、判断、判定基準の取り方、等を学ぶことに主眼を置いています。将来、自分が設計した製品が「故障しない、破損しない、破壊しない」という材料強度上の様々な事柄や考え方(例えば、疲労強度等)や、又設計に必要な材料の専門知識(最適材料、最適工法、最適試験方法、等)を、この授業からきっと多くのことを習得されることと思います。
(JABEE機械システム基礎工学プログラムの学習・教育目標);(D−1):◎ (JABEE基本キーワード);材料の力学的性質、工業材料の種類、工業材料の性質、性能評価、加工法、等。 (JABEE個別キーワード);応力とひずみ、機能による分類、組成による分類、力学的特性、機能的特性、材料試験法、等。 (前提となる基礎知識と修得後の展開);「基礎知識」については、不問です。「履修後の展開」として期待されることは、機械を「設計」する段階で、コストと強度上の安全性(=品質)の点から、「材料」を常に考慮した「設計」を心掛けられるようになるでしょう。
- <授業計画及び準備学習>
- 1) 「ガイダンス」
2) 「機械材料総論」 3) 「材料と設計の関わり」 4) 「材料強度の基礎」 5) 「材料試験」 6) 「材料の微視構造と材料特性」 7) 「熱処理の基礎」 8) 「鉄鋼材料(1/2)」 9) 「鉄鋼材料(2/2)」 10) 「非鉄金属材料」 11) 「高分子材料」 「セラミックス材料」 12) 「複合材料」 13) 「機能性構造材料」と「新材料概論」 14) 「工業材料と機械設計」 15) 学習成果の確認 (期末試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験において成績の評価を行い、60点以上の者を合格とします。 資料の持ち込みは一切不可とします。「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標、D−1、は上記の基準を満たせば達成されます。
- <教科書>
- なし
- <参考書>
- 「工業材料」(鈴木秀人編著、オーム社)
「設計者に必要な材料の基礎知識」(手塚則雄、米山猛著、日刊工業新聞社)
- <オフィスアワー>
- 木曜3限講義終了後教室で。
- <学生へのメッセージ>
- 将来機械設計や製造を志す人は、工業材料に関する知識は必要不可欠です。
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