2011年度工学院大学 第1部機械システム工学科

政治と法(Law and Politics)[1107]

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2単位
井上 知樹 非常勤講師

最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 日本国憲法が規定する統治機構条項の学習を通じて、歴史感覚と時代感覚の練磨、個人尊重の価値観の練成、立憲民主主義という統治原理の理解、及び、国政における主権者としての意識・自覚と責任感の彫琢を目指したい。併せて、それらの前提として文章の読解力・表現力の鍛錬を図りたい。

<授業計画及び準備学習>
第1回 ガイダンス・オリエンテーション(大学における勉強とは?)
第2回 憲法史(市民革命史・近現代史)
第3回   続き
第4回 明治憲法から日本国憲法へ
第5回 象徴天皇制
第6回 権力の民主化と権力の分立
     自分「たち」のことは自分「たち」で決める
     自分のことを自分「たち」で決めてはいけない
第7回 権力の民主化:自分たちのことは自分たちで決める
第8回 国民主権・選挙権・政党
第9回 国会・国会議員・議院
第10回 内閣・議院内閣制・財政
第11回 権力の分立:自分のことは他人に決めさせない
第12回 裁判所・違憲審査権
第13回 地方自治
第14回 野党・市民的公共圏
第15回 まとめ・総括

<成績評価方法及び水準>
 授業への出席を単位認定のための前提とし、期末に実施される筆記試験を基準にして期中に数回課される小論文を加味し、以上を総合的に勘案して60点以上の者に単位を認める。委細については期首の授業時に説明するので、必ず出席すること。

<教科書>
 特に指定することはせず、期中に数回課されるレポート時に参考文献を配布する。

<オフィスアワー>
 授業の開始前又は終了後に、講師控室にて。

<学生へのメッセージ>
 2009年8月の衆議院議員総選挙で、日本史上初めて国民自身の手による政権交代が起こった。これによって発足した鳩山政権は、国民の大きな期待と支持をもって迎えられた。ところが、それから僅か8ヵ月後鳩山内閣は退陣し、代わって菅内閣が発足したものの、今や支持率20%を切る有り様である。国民は民主党政権に辟易していると言える。では、自民党に期待が持てるのか。今は昔の話になってしまったが、自民党政権時代も、安倍、福田、麻生と三代続けて1年で政権が崩壊していたのである。ここから見えてくるのは、自民がダメだ、民主がダメだというということよりも、日本の「民主政治」がダメだということであり、国「民主」権の「政治」である以上、国民がダメだということである。なぜそうなのか。本講座では、日本国憲法の統治機構の概説・概観をする前に、民主政治に至る世界史的展開の中に日本史を位置づけることによって見えてくる、民主政治に向けた国民自身の覚悟の欠落、民主政治における当事者意識の欠如から繙くことで、日本の政治システム、統治制度を学ぶための問題意識を、共有したいと考えている。 

 

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