△バイオメカニクス（Biomechanics）[4B02]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

（授業のねらい）
生体の構造・機能を理解するための機械工学、摩擦・摩耗・潤滑の工学、血液流れの力学などの基礎を復習しながら、生体を機械工学的に理解する方法を学び、人工関節・人工心臓などの人工臓器、生体計測などへの工学技術の応用について考察する。

（達成目標）
（１） 生体の変形・破壊を理解するための力学の概要を説明でき、人工臓器などの設計への応用に関して例を挙げて説明できる。
（２） 生体における力のつり合い・運動などを機械力学的に説明でき、生体計測などの生体への工学技術の応用に関して例を挙げて説明できる。
（３） 生体における摩擦・摩耗・潤滑の工学的取扱法について説明でき、人工臓器などへの応用に関して例を挙げて説明できる。
（４） 血液流れを力学的に説明でき、人工心臓や人工血管の設計への応用に関して例を挙げて説明できる。

（JABEE学習・教育目標）
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」：(A)多面的，総合的視点○，(B)技術者倫理○，(D)基礎専門工学◎＜JABEE基本キーワード＞引張・圧縮・せん断力とひずみ、弾性と塑性、材料の強度と許容応力、材料の構造と組織、静力学、運動の法則、エネルギー保存則、計測基礎論と基本的な量の計測法、設計法、加工法＜JABEE個別キーワード＞応力集中、異方性、構造の剛性と強度、トライボロジー、生体計測、バイオレオロジー、医療/福祉/バイオ機器

（前提となる基礎知識と習得後の展開）
本科目を習得する前に、機械工学の基礎に関する科目を復習しておくことが望ましい。本科目で得られた知識は、広く工学関連分野の応用科目の修得に役立つ。

＜授業計画及び準備学習＞

１． 生体の特徴・機械の特徴：学習計画全体のガイダンスにより、自主的に学習を進められるようにする。生体に関連する機械工学の各分野を概観する。
２． 生体計測と単位：生体信号の計測に関して学ぶ。準備学習：ＳＩ単位、統計学の基礎について学習しておくこと。
３． 生体とエネルギー：肺におけるガス交換、血液の浸透圧などについて学び、人工肺や血液透析について考察する。準備学習：工業熱力学の基礎的事項を復習しておくこと。
４． 生体と制御：血流量制御について学び、人工弁の設計への応用について考察する。準備学習：制御の基礎について学習しておくこと。
５． バイオレオロジー：血液流れの抵抗について考察する。準備学習：流れ学の復習をしておくこと。
６． 心臓のメカニクス：流体機械としての心臓の仕事、拍動流について学び、人工心臓への応用について考察する。準備学習：流れ学の復習をしておくこと。
７． 生体組織の変形：生体組織変形の力学的特性について考察する。準備学習：材料力学について復習しておくこと。
８． 学習成果の確認。準備学習：前回までの総復習をしておくこと。
９． 生体材料の破壊：生体組織の破壊について考察する。準備学習：材料力学の基礎的事項を復習しておくこと。
１０． 生体界面物性：血栓形成について学び、人工血管への応用について考察する。準備学習：前回までの復習をしておくこと。
１１． 生体構造の力学：関節にかかる力などについて考察する。準備学習：工業力学の基礎的事項を復習しておくこと。
１２． バイオトライボロジー：関節における摩擦について考察する。準備学習：工業力学の基礎的事項を復習しておくこと。
１３． 生体組織の摩耗：関節における摩耗について考察し、医療器具の表面処理への応用について考察する。準備学習：工業力学の基礎的事項を復習しておくこと。
１４． 人工臓器の設計：学習してきたことをもとに、人工心臓・人工関節などの設計への応用について学ぶ。準備学習：機械製図の基礎的事項を復習しておくこと。
１５． 学習成果の確認。準備学習：前回までの総復習をしておくこと。

＜成績評価方法及び水準＞

授業の進行と並行した自筆自習レポート（50％）、演習（50％）の割合で総合評価し、合計60点以上を合格とする。

＜教科書＞

なし

＜参考書＞

生体システム工学入門：橋本成広著（東京電機大学出版局）
生体計測工学入門：橋本成広著（コロナ社）
機械工学便覧β8生体工学（日本機械学会編）

＜オフィスアワー＞

八王子：水曜日3時間目：教員室
新宿：木曜日：3時間目：教員室
その他、授業の前後に教室か教員室で対応。

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